「農民」記事データベース20030407-581-03

所得税法改悪案 自民・公明などの賛成で可決

農民連が参院財政金融委員に廃案要請

関連/三月二十五日の委員会を傍聴して


 配偶者特別控除の廃止や消費税の免税点の引き下げなどを盛り込んだ所得税法改悪案が三月二十六日、参院財政金融委員会で、自民党、公明党などの賛成多数で可決されました。

 農民連は、全商連などと共同して改悪案を廃案にしようと三月十八日、二十日、二十五日と繰り返し財政金融委員に要請しました。六千四百十一筆の「日本経済をいっそう冷え込ませる庶民大増税を中止し、景気回復を求める要請書」を提出するとともに、各地から議員に要請のファックスを送りました。

 三月二十五日には、農民連本部や茨城、埼玉、千葉県連の代表が参院財政金融委員会を傍聴。池田幹幸参院議員(日本共産党)は「経済産業省の調査でも、消費税の免税点を三千万円から千万円に引き下げたら、新規課税業者のうち五割が消費税を価格に転嫁できない。零細業者になればなるほど“損税”となる業者が多くなる。免税点の引き下げは損税の負担を広げ、滞納を増やすだけだ」と指摘し、撤回を要求しました。

 農民連の代表は傍聴した後、同財政金融委員の部屋を訪ねました。代表は「農家では売り上げが千万円以上といえば中堅。夫婦二人の所得は二百五十万円〜三百万円程度。農家は消費税を価格に転嫁できなので、完全な損税になってしまう。自家労賃が認められない中で、配偶者特別控除が廃止されたら、さらに重税になる。慎重に審議し廃案にしてほしい」と要請しました。また、池田議員に農民連の集めた要請署名を手渡しました。

 政府・自公保与党は、衆院に続き参院でも与党が質疑時間を返上し、わずか一日半で採決を強行しました。

 改悪案は、配偶者特別控除の原則廃止、、消費税の特例措置縮小(免税点引き下げ、簡易課税の適用上限引き下げ)、酒・たばこ増税など、国・地方あわせて一・七兆円の負担増を国民に押しつけるもの。


三月二十五日の委員会を傍聴して

斎藤ゆみ子(埼玉農民連大里センター)

 どのように法案が審議されるのか見届けようと国会に行きました。傍聴席がわずかしかなく、十四人ずつの入れ替えての傍聴となりました。こんな重要な法案なのに審議の日程は数日で、イラク戦争の「どさくさ騒ぎ中に通してしまう」のかと思えるほどです。

 消費税の問題点を鋭く質問する池田幹幸・大門実紀史両参院議員(日本共産党)。「不況の時節には、中小業者への負担が大きい」と空々しい答弁の政府・当局者。

 傍聴後、参議院の財政金融委員の議員室を回り、農家の現状を知らせながら庶民大増税を中止するよう要請しました。応対した与党の秘書の「国民の声を聞く耳はない」という態度に本当に腹が立ちました。

(新聞「農民」2003.4.7付)
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2003年4月

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