推進派の動き活発化するなか北海道で遺伝子組み換え大豆反対集会
日本には、遺伝子組み換えの大豆、トウモロコシ、ナタネなどが大量に輸入され、食品として流通していますが、まだ国内での商業的作付は一つもされていません。 ところが最近、遺伝子組み換え作物の日本国内での本格的作付をめざす多国籍バイオ企業や推進派の動きが活発化しています。同時に、これを阻止し、安全な国産農産物を守ろうという消費者、生産者の運動も高まっています。 昨年十二月、モンサント社と愛知県農試が共同開発した遺伝子組み換え稲「祭り晴」は、広範な人たちの反対運動によって愛知県に商業化を断念させ、国内作付を阻止しました。 しかしあくまでも組み換え作物の日本での栽培を狙うモンサント社は、一部推進派の生産者、研究者で「バイオ作物懇話会」(長友勝利代表)を組織。一昨年は全国九カ所、昨年は、北海道、茨城、福井、鳥取、滋賀など六カ所の会員の圃場で除草剤耐性大豆「ラウンドアップレディ」の試験栽培を実施し、「雑草対策が簡単で農家が楽になる」などと宣伝しています。 同会の長友代表によると、今年は「全国二十六カ所から作付の要望がきている」(「日本農業新聞」)といわれ、とくに国産大豆の四割を生産する北海道で遺伝子組み換え大豆の本格的作付を狙っています。 また、北海道大学大学院農学研究科の富田房雄教授らは、道内での組み換え大豆の作付を促進し、その受け皿ともなる「遺伝子組み換え大豆を九五%以上使った納豆、豆腐を製造、インターネットで販売するバイオベンチャーを設立する」(「日本経済新聞」二月五日)と、マスコミに報じられています。 こうした動きにたいして二月十五日、「北海道食の自給ネットワーク」は、「検証! 遺伝子組み換え作物」を開催。道、札幌市が後援し、生協、JA、消費者、環境団体、有機農業研究会などが協力しました。「もし北海道で作付けが行なわれたらどうなるか」のパネルディスカッションも行ない、道内作付け反対ののろしを上げました。 また、集会前日の十四日には、「遺伝子組み換え食品いらない! キャンペーン」と、日本消費者連盟代表が、ホクレン農業協同組合連合会を訪ねて、「もし組み換え大豆の作付を許せば、花粉の飛散などで交雑が起き、クリーンな道産大豆に汚染が広がり、イメージダウンになる」と遺伝子組み換え作物の作付反対を申し入れて懇談しました。 ホクレン側も「遺伝子組み換え大豆は一粒たりともまかりならぬ。一切作ってはいけないことになっている」との立場を表明。消費者と手を携え、遺伝子組み換え大豆の道内作付に反対し、北海道大豆を守る運動を進めて行くことに合意しました。 (塚平 広志)
(新聞「農民」2003.3.10付)
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[2003年3月]
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