「農民」記事データベース20030303-576-02

秋田市農業委員会

「米政策改革大綱」の疑問点 チラシに

関連/会員拡大など経験を交流


 秋田市農業委員会(柏谷健作会長)は「『米政策改革大綱』のここが疑問、個別対策へ農業者の声を!」と題するチラシを市内の約三千八百戸の全農家に配布しています。チラシは、「大綱」を「農業・農村そして食料の生産基盤を根底から壊していくもの」と批判。そのうえで、「大綱」の内容と「農業委員会の主張」を対置しています。

 価格・所得政策こそ発展できる

 例えば、「消費者重視、市場重視に立脚し、需要に即した米づくりで水田農業経営の安定と発展を図る」とする「大綱」に対して、「農業委員会の主張」は「担い手や後継者が育たないのは、市場原理偏重で経営として見合う所得が得られないからではありませんか。価格・所得政策こそ安定と発展を実現できる道と考えます」。そして「ミニマム・アクセス米の輸入は縮減廃止するべきです」ときっぱり。

 チラシを見た農協の理事は「本来は農協がやらなければならない農政運動を農業委員会にやってもらっている」といい、農家からは「農業委員会はこういう活動もやるのか」といった積極的に支持する声もあがっています。チラシのことが地方紙などで報じられると、県内外からも問い合わせが殺到しました。

 農家に内容を知らせようと

 農業委員会は、「生産調整研究会」が山場にさしかかっていた昨年十一月二十六日、上京して研究会のメンバーに農村の現場の声をじかに訴えました。チラシの必要性は、その頃から議論されてきたものです。農政専門委員長として作成の中心になってきた鈴木万喜夫さんは、「『大綱』に対して、何か行動を起こさなければとみんな思っていた。そこで内容を農家に知らせようとなったのだが、委員会や総会で議論を重ねるなかで問題点が整理されていった」と言います。

 ある地方紙の記者からは「農業委員会が『大綱』の疑問点を積極的に宣伝して大丈夫か」という電話もかかってきました。これに農業委員の鈴木勇さんは「地域農業の発展のために意見を公表し、建議を行うことは農業委員会の当然の任務」と答えました。

 さらに鈴木さんは、「『大綱』によって九割の農民が切り捨てられようとしているときに、指をくわえて見過ごすわけにはいかない。世界中が食料問題にとりくんでいるなかで、自国の農業を犠牲にして心痛まない政府は日本だけ。全国の農業委員会が声をあげ、食糧の自給率向上を基本とする農政に転換させよう」と呼びかけています。


会員拡大など経験を交流

岩手県連大会

 岩手県農民連は一月二十六日、盛岡市内で第十五回定期大会を開きました。討論では、税金闘争にいちはやく取り組んで会員十九人を拡大した胆沢町農民組合の経験や、自治体要請キャラバンで七割の首長から賛同を得た経験など、豊富な教訓が報告。また、農村のなかで影響力のある組織をめざす議案が採択され、役員を選出しました。

 ▼会長=阿部四郎▼副会長=久保田彰孝、田村正、千葉勉、堂前貢▼事務局長=岡田現三▼事務局次長=黒沢俊明、関向良雄
(岩手県農民連 岡田現三)

(新聞「農民」2003.3.3付)
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2003年3月

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