旬の味
鹿児島県川辺郡大浦町。昨年一月二十二日に大変なことが起こった。小湊海岸に十四頭ものマッコウ鯨が漂着というより座礁した▼体長十二〜十六メートル、体重三十〜四十トン。水産庁、海上保安庁、県を巻き込んでの大騒動。一頭は助け出したものの、十三頭は廃棄物として海中に沈められた。十一日間の不眠不休の救出劇。「台風も大変だが、鯨はもっと大変だった」と語る前田輝行町長。かかった費用だけでも五千二百万円。そんな大浦町も今、市町村合併という大波が呑み込もうとしている▼隣接する枕崎市に南さつま農民組合の直売所「薩摩路」がある。東シナ海の潮騒と香りが身近にあり、特産のサツマ芋が並んでいる。初めて食べるそばん寿司、とりたてのグリーンピース、焼酎を飲んだコップが面白い。六対四はごきげんライン、五対五はほろ酔いライン、ブッシュ小泉は破滅ラインか。午前三時までご一緒したが、お腹の中は「ストレートに地産地消地飲」を受け入れた▼遠くに望む開聞岳の裾野は、すでに菜の花が満開。日本列島三千キロは広い。 (督)
(新聞「農民」2003.1.27付)
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[2003年1月]
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