「農民」記事データベース20030120-570-03

旬の味


 「泣ぐ子はいねが、怠け者はいねが」。怖い鬼が村々を練り歩く“なまはげ”は古くから伝わる民俗行事で、大晦日、男鹿半島で行われる。年一度、各家を巡り、悪事に訓戒を与え、災禍を祓い、祝福を与えて去っていく▼冬の暗い夜、突如入り込んできたなまはげは子どもの前で暴れ回る。子どもたちは恐れ、泣き出す。家族はすかさず御神酒(おみき)を差し出すと、グィと飲み、急に穏やかになり次の家へと向かう▼なまはげは、神の使者「鬼神」の化身とされている。語源は「ナモミはぎ」からきたと言われる。囲炉裏火で長時間暖をとっていると、手や足に火型、火斑がつく。この地方では、昔からナモミと言っていた。ナモミは怠け者の象徴とされ、それを剥ぎ取ることで戒めるという意味がある。また、汚れや古いもの、厄を落として新年を迎えるという意味もあるようだ。このなまはげ伝説にこの時期、男鹿の大地は祭に燃える▼庶民を苦しめる悪政、がまんも限界。なまはげに扮して、永田町や霞が関の「わる」どもを一掃したい思いだ。

(長)

(新聞「農民」2003.1.13・20付)
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2003年1月

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