各地の正月料理雑 煮
香川県 木田地方〔作り方〕大根、人参などの野菜はすべて〇・五センチほどの輪切りにする。いりこでダシを取り、野菜を入れ、ひと煮立ちしたら砂糖あん入りの丸餅を入れる。もちが柔らかく煮えたところで豆腐と、甘口の白味カイを入れ、火から下ろす寸前にネギを入れる。
〔いわれ〕元旦の晴れ食です。年中家庭や仕事が”円満”にいくようにと、お餅は丸餅、野菜も輪切りにします。昔は大晦日に材料はすべて切っておき、元旦の朝に汲んできた新鮮な水で、家族全員が体を清めた後に、お雑煮を煮て食べていました。甘口の白味カイは、普通のお味カイよりも豆と塩の量は少なく、米の量が多いのです。そのため傷みやすく、短い冬の間だけ食べられるものだったようです。一家の労働力である牛にもお雑煮を食べさせて労を労っていました。 一見、アンバランスなように見える、あん餅とお味カイとの組み合わせですが、白味カイのやわらかいしょっぱさとあんこのほのかな甘さが絶妙です。ぜひ、一度こわがらずに試してみてくださいね。 (植村農園 中野ちひろ)
愛媛県 東宇和地方〔作り方〕ダシはゼンゴ(アジの小さいもの)で取る。前の晩から鍋に浸しておくと、良いダシが出る。しょうゆだけで味をつける。白菜(白い部分を繊維にそって縦に切る)、豆腐を入れる。 餅は丸餅。固いので時間をかけて弱火でじっくり煮るのがコツ。柚子やしいたけ、しめじなどを入れることもある。 *忙しい正月の朝でも作れるとても簡単な料理です。ゼンゴという小アジでダシを取ると、とてもまろやかになります。 (愛媛県東宇和郡明浜町 宇都宮孝子)
千葉県 船橋市〔作り方〕・ダシは煮干しでとる。 ・ダシが出たら強火にして、小松菜を三センチくらいに切って加える。 ・醤油で味を整える。 ・切り餅を入れて弱火で煮る。別鍋のお湯で切り餅を煮て柔らかくし、雑煮の汁に入れるやり方もある。家庭によって餅を焼くこともある。
〔水餅・お餅の保存方法〕お正月や寒中にたくさんついた餅は、切り餅にして、水を張った樽に浸して保存します。時々水を取り替えながら、春まで食べます。暖かくなるにつれて水の取り替えもひんぱんになります。 具は小松菜だけですが、どっさりと大量に入れます。なぜかはわかりませんが、船橋は小松菜の産地であることは間違いありません。お正月といっても特別なことはせず、身の回りにあるもので祝ったのではないでしょうか。 (千葉県船橋市 飯島和子)
(新聞「農民」2003.1.6付)
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[2003年1月]
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