「農民」記事データベース20021125-564-08

伝統的な建物、景色眺めながら…

郷土料理を“食べ歩き”

多古町旬の味産直センター BRAぶら しんのみ祭り


 千葉県にある多古町旬の味産直センターの「BRAぶら しんのみ祭り」が十一月九日、産直センターのある多古町次浦集落で行われました。

 この祭りは地域の伝統的な建物と景色を眺めながら、農家の軒先に並べられた郷土料理を食べ歩くというもの。これまで夏に開催していた産直祭りをリニューアルし、スローフード協会本部があるイタリア・BRAの村祭りをモデルに取り組まれています。二年目の今年は行事食や野点の体験などを新しく加え、昨年同様、たくさんの郷土料理、陶芸やソバ打ち体験が準備されました。

 神奈川新婦人や生協、個人など六百人が参加。開会式では、町の助役もかけつけて挨拶し、地区の区長さんは「安全な郷土料理とともに長屋門など、地域の歴史を堪能し、散策しながらご覧下さい」と挨拶しました。

 祝言の行事食に釜炊きのご飯も

 開会式が終るとすぐに参加者は、受付で渡された竹製コップと地図、持参の皿と箸を手に目指す農家の軒先へと向かいます。

 限定二十食の行事食がふるまわれた菅沢正吾さん宅は、行事食目当てに駆けつけた参加者ですぐさまいっぱいになりました。再現されたのは祝言(結婚式)でふるまわれる料理の一部ですが、ご飯は釜で炊き上げられたもの。当事は縁起ものとして、その土地や近隣で採れる山海の珍味を使い、地元で暮らす料理番と呼ばれる職人さんが祝言の料理を取り仕切って準備していたと言います。

 こうした料理は経験のあるお婆さんたちの力を借りて再現し、お母ちゃんたちが準備。盛り付ける美しい器や膳もまた地域の倉庫に眠っていたものを使いました。立派な張りと美しい襖のある和室には火鉢も据えられ、祝言の進行役である座奉行が取り仕切り、歌も披露されて和やかな雰囲気で参加者を楽しませていました。

 祭りの話を聞き、鎌倉へのハイキングを変更して、十七人で訪れたというドイツ人は「日本の伝統的な文化は面白い。家の屋根がとてもきれい。きれいな村」と片言の日本語で話していました。

(新聞「農民」2002.11.25付)
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2002年11月

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