WTOは地球の自殺行為フランス農民同盟ジョゼ・ボベ委員長
「大いなる誇りをもって農業をやれる時代に」フランス農民同盟(CP)のジョゼ・ボベ委員長が初来日。十月二十九日、「ジョゼ・ボベさんと大いに語る東京集会」が、文京区民センターで開かれました。「ATTAC Japan」(アタック・ジャパン)と「ジョゼ・ボベさんを招く会」が主催しました。 反グローバル化の闘士として知られるボベ氏は「WTOは、農民を農地から切り離して、農業をアグリビジネスのもうけにしようとしている」と批判。そして、「その被害者は農民に限らない。消費者も、環境も被害を受ける。WTOがやろうとしていることは、地球にとって自殺行為だ。人類の貴重な資産がおびやかされている」と訴えました。 「社会的なダンピング構造が、いっさいの社会保障の解体を迫り、貧富の差を拡大させている」「化石燃料の浪費が大気や土壌を汚染し、遺伝子組み換え技術が生物の多様性を破壊する」と警告するボベ氏。さらに、モンサントなど一部の化学メーカーが遺伝子組み換え作物に特許権をもち、世界各地で農民が訴えられている事態を告発したボベ氏は、「自分の作物から採った種子を、翌年も播けるということは、農民の自立にとって根本的な問題」と述べました。 最後に、国際的な農民組織「ビア・カンペシーナ」のスローガンを紹介したボベ氏。「たたかいをグローバル化しよう。希望をグローバル化するために」と呼びかけました。
米価格カルテルめざしアジアの輸出国が初の閣僚会合世界の主要米輸出国六カ国のうちアメリカを除くアジア五カ国による閣僚会合が、十月上旬バンコクで開かれました。出席したのは、タイ・中国・インド・パキスタン・ベトナムの各国。「米価格安定のためのカルテル結成にむけて」の初の協議で、石油輸出国機構(OPEC)になぞらえ、米輸出国機構(OREC)形成めざし、さしあたり米貿易協力評議会(ORTC)とよぶ輸出価格カルテルの創設構想が提唱されています。一九五〇年にトン当り千二百ドルした米(砕米五%)が、現在二百ドルに低下しており、参加した五カ国が、世界輸出量の七五%(千八百万トン)を扱いながら、価格形成でイニシアティブをとれていないことが背景にあります。現状では、シンガポールやヨーロッパのブローカーによる影響力が圧倒的とされています。
しかし、米管理については、中国とベトナムで国営公社が貿易をコントロール、インドでも政府による最低支持価格でなかば固定されているなど、流通 条件も通貨水準も異なっています。 インドの輸出業者は、「タイが唯一輸出国であった時代には、こんな提案もなく、プレミアム(輸出課徴金)つきの割高で輸出してためこんできた。インドも世界第二位の輸出国となったいま、このチャンスを大いに活用して、より多くの米を輸出すべき」と批判しています。 カルテル結成は合意できませんでしたが、タイの政府や業界では、この会合の開催実現を評価する声があがっています。 (Y)
(新聞「農民」2002.11.25付)
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[2002年11月]
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