「農民」記事データベース20021118-563-09

旬の味


 ♪おどま盆ぎり盆ぎり盆から先やおらんど盆が早よ来りぁ早よもどる――福岡・柳川出身の詩人、北原白秋が絶賛した五木の子守唄。そのふるさとは今、川辺川ダム建設で水没予定地の民家などがほとんど移転している。現地を案内してもらった▼球磨川から川辺川へ。澄んだ水の流れ。既成の潅漑用水で育った稲穂。立派な茶畑。建設現場は一見しただけで、本体工事を残すだけの状態。山は深く、緑は濃く、自然は豊だ▼川は大切な役目を果たしている。作物を育て、人の命と心を育て、交通と文化をひろげ、広い海へ▼球磨川は尺鮎が捕れ、カヌーの川下りもでき、全国から釣師もやってくる。そこで生活し、生きている漁民から漁業権を奪ってでもダムを造る必要があるのか。利水事業では同意書が二百二十三カ所、百五十一人分も改ざんされていた。四〇%も減反しながら、まだ水がいるのか▼稲刈り交流会で尺鮎を食べた。こんなものが日本にいたのか! とビックリしながら食べた。梅山究・川辺川利水原告団長は「守るのは世論の力」と言う。

(督)

(新聞「農民」2002.11.18付)
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2002年11月

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