「農民」記事データベース20021111-562-12

旬の味


 先日、米産直の縁で横浜の保育園関係者に招かれて農家のお母さんたちと一緒に箱根から横浜の旅をした。「百聞は一見に如かず」であった。箱根関所は当時の造りを復元中で、資料館の中は、当時の幕府が厳しい監視体制を強いていた様子を再現していた▼横浜港の輸入農産物の実態はすごい。港湾労組の方が「夏からずっとこの状態です」と、まず案内したのは容器に入って野外に積まれた塩蔵キノコ類。シートに覆われた倉庫内は鼻をつく異臭が充満し、壊れかけた木樽にはロシア産塩蔵ワラビ、木箱にはベトナム産塩蔵キュウリなど▼一行が驚きのあまり足が止まったのは「民田茄子・中国産」。この「民田」は、山形県鶴岡市の一集落の名であり、その集落を中心に栽培された小ナスが、漬物に最良なので地元に普及してついた名称。誰が種を持ち出したか、誰が輸入して、誰が加工しているのか、わからない。わかるのは間違いなく国民の口に入っていること▼いまこそ国は「現代の関所」の役割を果たし、国民の安全を守る最大の義務がある。

(巌)

(新聞「農民」2002.11.11付)
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2002年11月

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