めちゃかわいいシクラメン長野県・上伊那農民組合 飯島光豊さん
私は、植木鉢の直径が五センチという小さいミニシクラメンの栽培に日本で初めて成功しました。全国から注目されているミニシクラメンの名は「めちゃかわいいシクラメン」。手の平に三〜四鉢がのってしまう、あまりの小ささに誰もが驚かれることと思います。 私の園(きのくにや花園)では、以前から「小さな愛のシクラメン」のネーミングで、六センチ鉢のミニシクラメンを毎年約二十万鉢生産し、市場出荷を中心に販売しています。この六センチ鉢サイズを大量に生産する鉢花の園芸農家は、日本では少ないと思われますが、さらに五センチ鉢のミニシクラメンを生産するのは私の園のほかはないと思い、「日本一小さいミニシクラメン」のキャッチフレーズを使わせていただいています。 私は、シクラメン生産を始めてから約三十年ほどになります。近年のシクラメンの大鉢の市場価格が暴落して、やりきれません。今から十年前「不況下では大きいものは売れなくなる」と読んで、それまでの大鉢の生産をミニ鉢の生産に切り替えました。しかし、新しい分野であったため、栽培を教えてくれる人もなく、まさに「失敗」を授業料にした独学での挑戦の連続でした。 この小さなサイズにいたるまでのプロセスは、言い尽くせない苦労がありました。当初、描いていたイメージ通りの「日本一小さいミニシクラメン」を晴れて誕生させることができ、園芸家として感慨がひとしおです。 今年は試験栽培なので一万五千鉢の数量ですが、来年からは大量に栽培します。 「飯島は白毛餅を作っていたのではなかったの?」とよく言われます。もちろん米価の暴落や減反に苦しめられる農家を守る、スローフード特産品「白毛餅」の生産は、今年も上伊那農民組合の仲間と頑張っています。 新たな「もの作り」に挑戦する栽培技術や、販路を拡大することには限界がありません。長いスタンスで夢を語り、減反や価格暴落に負けない、したたかな農民ここにありです。 (きのくにや花園主・上伊那農民組合事務局長)
(新聞「農民」2002.11.11付)
|
[2002年11月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2002, 農民運動全国連合会