「農民」記事データベース20021111-562-07

実りの秋に感謝!

収穫機械のメンテナンス

青木 敬典


(最終回)エンジン部分の点検

 今回は、最終回ですので、保管作業の最終段階エンジン部分の点検について考えます。

 (1)エンジン冷却用の空気取り入れ口・ラジエターの清掃

 乗用コンバインでは座席下の空気取り入れ口のアミを、ハーベスタやバインダー等のガソリンエンジンでは、始動リコイル装置の空気取り入れ口の埃を清掃します。できればリコイルカバーを外してコンプレッサーでエンジンフィンの埃も飛ばします。ラジエータはコアのヒダを曲げないように注意してください。

 (2)エアクリーナの清掃

 収穫機械は防塵対策に気を配って作られていますので、清掃するときもエンジン内に埃が入らないように注意して行ってください。ガソリンエンジンの湿式スポンジフィルターはボロボロに劣化していれば交換してください。

 (3)ファンベルトの張りの点検

 大型・小型を問わず水冷ディーゼルエンジンはファンベルトがあります。張りと劣化を点検してください。

 (4)ラジエータ液の点検

 シーズン中は毎日始業前に点検していただくことが基本ですが、漏れがないか、ラジエータコアやホースを点検します。不凍液(クーラント)には防錆効果もありますので、二〜三年で交換してください。

 (5)エンジンオイルの点検

 メーカーの取り扱い説明書には使用時間による交換時期の記載がありますが、オイルは保管期間にも空気と接触することによる酸化で劣化するので、二年毎に交換することをお勧めします。機体を水平な場所に置き、検油ゲージの上限まで入れてください。

 (6)その他、ミッションオイルの点検

 取り扱い説明書を参考に行ってください。初回の交換は早めにされることをお勧めします。HST(油圧変速)のオイル交換を行う場合はゴミを混入させないよう特に注意してください。

 (7)燃料の点検

 ディーゼルエンジンは燃料タンクに満タンに入れておきますが、ガソリンエンジンは逆にガス欠の状態にしておきます。キャブレターのドレン、燃料コックのカップ、燃料ホース、タンクなどの燃料系統からガソリンを排出します。これを怠ると来シーズンは始動不良となります。

 (8)バッテリー

 バッテリー液の点検と補充を行い、保管時はマイナスのターミナルを外しておきます。

 以上、紙面の関係で詳細には書けませんでしたが、取り扱い説明書などを参考に実施してください。

(おわり)
(農の会会員)

(新聞「農民」2002.11.11付)
ライン

2002年11月

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