「農民」記事データベース20021104-561-16

演 劇

リストラ、女性の地位向上…

ギィ・フォワシィ・シアター「王様と私たち」


 フランスの劇作家ギィ・フォワシィの作品を上演しているギィ・フォワシィ・シアター(主宰・谷正雄)が音楽劇「王様と私たち」を上演します。この作品は一九八六年にフランスで初演、翌年に日本でも初演されました。当時のフランスは八%をこえる高い失業率に悩んでいましたが、日本はバブル経済の真っ盛りでした。その後、日本でもバブルははじけ、現在では、失業率も深刻な数字になってきています。リストラと女性の地位向上をテーマにした作品だけに日本でも現実味をもったものになっています。

 会社では係長の男が、家庭では妻と母や妹をはべらせ、王様気分でいました。ところが、ある日、夫はリストラ、妻は就職して経済的に自立、形勢が逆転してしまいます。さて、男と女は、それぞれの生きる道は? 平和に生きていけるのでしょうか。出演は、岡橋和彦(夫)、勝倉けい子(妻)、原知佐子(母)、青坂章子(妹)の四人。スタッフは、山本邦彦・訳、沢田次郎・演出、真知子YANASE―RAVEAU・音楽ほか。

 けいこ場での女優陣のコメントは――。「けいこでむずかしいのは、ドラマの起承転結がないところ。せりふが多くて、普段、こんなにおしゃべりしないわ、と思いながら、冷や汗をかいています」(勝倉さん)、「芝居のなかでは、お姉さんが仕事を得ますが、実生活では姉が失業しました。『職を得るために一〇〇のポストを争う』というせりふがあるんですが、身につまされています」(青坂さん)、「お客さんに笑ってもらわないと深刻な劇になってしまいますから、くすくすっと笑っていただける芝居にしたい。歌も楽しんでいただけると思います」(原さん)。演出の沢田さんは「社会的テーゼをアピールするのでなく、お芝居として心のオアシスになればいいなと思っている」と語ります。

(鈴木太郎)

*11月13日〜17日、東京・両国・シアターX(カイ)、28日〜29日高崎文化会館、12月2日〜5日群馬県民会館。連絡先=ギィ・フォワシィ・シアター電話03(3981)3097

(新聞「農民」2002.11.4付)
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2002年11月

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