「農民」記事データベース20021104-561-15

実りの秋に感謝!

収穫機械のメンテナンス

青木 敬典


(3)整備の第一段階「清掃」

 今回は、来シーズンに向けて格納前の点検箇所について考えます。

 例は自脱型コンバインです。エンジンを停止した状態で点検します。

 (1)刈刃の破損や受刃との隙間の調整=点検の第一歩です。これが悪いと詰まりやすくなり、来シーズンの作業能率が低下します。一緒に刈刃駆動軸やロッドのガタつきも点検してください。

 (2)引き起こしチェンの張り調整=中央部でのチェンのたるみが規定量になる様、調整スプリングを張ります。

 (3)搬送部の各フィードチェンと搬送ベルトの張り具合の調整=意外と見落としがちなので取り扱い説明書を参考に調整してください。思わぬトラブルのもとになります。

 (4)脱穀部のフィードチェン・排ワラチェンの張り調整=張り調整用スプリングを規定の長さになるよう調整します。張り調整が出来ないほど伸びた時は、コマ詰めをします。

 (5)脱穀部のこぎ刃とワラ切刃の点検=こぎ刃の曲がり・磨耗とワラ切刃の研磨は能率を左右しますので必ず点検して下さい。

 (6)受アミ・揺動棚・チャフシーブ・ストローラックの点検=雨天での作業を強行した場合など、泥やワラくずがこびり付くのでごみを掃除しておきます。

 (7)各搬送コンベア(スクリュウ)の点検=揚穀、1番、2番、排出のコンベアの掃除口を開けて掃除します。

 (8)コンベア駆動Vベルトの点検=各Vベルトの磨耗と張り調整用テンションプーリーのベアリングの点検をし、予備を確保しておいて下さい。

 (9)排ワラカッターの点検=磨耗する箇所には偏りがあるので、移動して研磨をしますが危険が伴なうので注意してください。

 (10)結束部の点検=ホルダーの軸部分に絡んでいる結束ひものくずを取り除き、注油とグリスアップをします。また、使いかけの結束ひもは機械より外してビニール袋に入れて来シーズンまで保管します。

 以上、コンバインの本体の点検箇所について書きましたが、お手持ちの取り扱い説明書を参考にして点検してください。次回はエンジン関係を中心に考えます。

(つづく)
(農の会会員)

(新聞「農民」2002.11.4付)
ライン

2002年11月

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