殺すより、増やさない害虫防除 (21)
土着性天敵の利用1 天敵利用上のポイント昨今、害虫防除に天敵を利用する試みが積極的に行われるようになりました。ここでは土着性天敵を生かすためのポイントをあげてみます。 (1)バンカープランツ上での天敵の増殖 バンカープランツを畑の周囲やうね間に植えて、天敵を増やします。バンカープランツとして効果が高いのがムギで、ナスやタバコの麦間栽培が良い例です。ソルゴー、クローバーなどもバンカープランツとして利用できます。 (2)無農薬、減農薬栽培との組み合せ 天敵昆虫類は害虫よりも農薬に弱いので、農薬との併用は困難です。しかし、天敵だけで主要な害虫を抑えることはできないので、捕殺にたよる部分がかなり多くならざるをえません。例えば、ナス栽培では、フキノメイガ、テントウムシダマシ、ナスノミハムシの天敵は見つかっていません。 (3)天敵の効果の判定 バンカープランツ上での天敵の増殖と栽培作物への移動を観察し、さらに害虫発生状況を観察する。 より発展すれば、害虫を採集して飼育し、天敵の有無を確認後、畑に放すことも有意義です。
2 主な天敵と見分けかた
このシリーズ六回目で紹介したほか、表を参考にして天敵の増加と効果 を判断して下さい。この表に載せた害虫のほか、例えば、アザミウマ、ハダニなどの被害が減ったならば、表以外の天敵が活動したと思ってよいでしょう。 桑山洋三(農の会会員)
(新聞「農民」2002.10.7付)
|
[2002年10月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2002, 農民運動全国連合会