――産地まるごと届けたい――米屋さんと生産者つなぐ大交流会
お米屋さんの感想情報をつないでほしい東京都府中市 (有)天地米店 小沢 量さん米屋は生産のことが、農家は消費者のことがわからないので、情報交換がしたい。アイガモや不耕起栽培など農法はいろいろあるが、その地域にどんな農法が合っているのか、そういう情報がほしい。生産地それぞれの違いや、「減農薬の背景」を知りたい。A4の紙一枚有る無しで、米屋の売り方もまったく違ってくる。農民連にはそういう情報をつないでほしいと思う。 自分の周りでも米屋は減っている。しかし地域づくりから見ると、中小業者がつぶれてよいのか。子どもの教育や防災など、地域の強化が必要なものはたくさんある。
地方色を出した袋を作って東京都世田谷区 (有)名川精米店 名川 斐雄さん参加は初めてですが、なごやかでわきあいあいとしていました。私は、お客様に対しては安全、安心をモットーにお米を販売しています。この交流会に参加したことで、これまで得られなかった幅が広がりました。出席して良かった。 今、輸入された米はどこに行っているかわかりません。日本の農家が作ったお米が、行く先を失っていることは許せません。輸入米は少しずつでも減らすべき。私は声を大にして「日本の農家を助けろ」と言いたい。農家にほほえみがあってこそ街の米屋は成り立つと思います。日本で自給できているのはお米だけです。自由化のため、アメリカに押し切られる政府はだらしない。米は日本の農家で自給しなきゃ。 生産者の皆さんには、お米とともに、袋代は払いますので、独特の袋を作って、お米と一緒に送って欲しいと思います。地方色を出したカラーの袋を作って、景色や、家族などの写真を使って、中身ともどもお客さんに届けられる袋を作ってください。
アトピー治った話に感動東京都渋谷区 (有)松屋米店 松本 三男さん長野県からの話で、無農薬栽培の「長野ほまれ」でアトピーが治ったと聞いて感動しました。私も息子がアトピーなので悩んできました。 百七十年続いた米屋ですから、のれんを引き継ぐことが私の使命と考えています。しかし、米ほど、農政に右往左往させられてきたものはないと思います。卸、小売はいつも影響を受けてきました。安全で良い米を取り扱いたい。生産者、消費者、米屋とのネットワーク確立は重要だと思います。
売り上げ、以前の三分の一に東京都文京区 山本商店 山本 常三郎さん業界紙を見て参加しました。 二代目の米屋です。小さな米屋ですが、息子が継いでくれています。 二年ほど前から売り上げがどんどん減り、以前の三分の一になっています。米屋の集まりでは、いつ米屋をやめようかという話が必ず出てきます。 初めて参加しましたが、大変親近感を感じました。産地、卸、小売の連絡がもっと必要だと思います。
米作りへの姿勢感じられた東京都世田谷区 黒田精米店 黒田 富士雄さん農家の米作りへの姿勢が感じられた。農家と一緒に取り組んでいけるのがいい。ただ米を売るだけではいけない。お客さんに提案できる米屋にならなければいけないのではないか。 この集まりでは、話題についてお互いに理解できることがいい。勉強になった。
生産者の感想農協出荷では得られぬ喜び宮城県矢本町 水田五ヘクタール 三浦 勝志さん去年知り合った大田区六郷の山田米店さんの元気な発言が聞けて、本当にうれしかった。農協出荷では得られない喜びがある。都会でがんばっているお米屋さんのためにも、おいしい米を作らなければと、あらためて思った。
大いに仲間増やしたい新潟県弥彦村 水田二・六ヘクタール 今井 健さん新聞「農民」読者の地元の有力者が、この交流会の案内を見たことがきっかけで農民連に入会した。「まわりの農家を集めるから話をしてくれ」という。その人はまた、「農業については農民連の言うとおりだ。輸入しながら減反とは何ごとだ。MA米が心理的影響しかないなんてことはありえない」という。これを機に、大いに仲間を増やしたい。
希望が見えるとりくみ必要千葉県・栄営農組合副組合長 及川 周蔵さん今日のような集まりを続けていくことが大事だと思った。いま農村では「いつ農業をやめようか」が日常の会話で、後継者の仕事もない。地域崩壊の危機だ。希望が見える、こうしたとりくみが必要だ。
消費者・米卸の感想街おこしにつながる交流会新婦人中央常任委員 暮らし・食べもの担当 安達 絹江さんいま消費者は食の安全性に厳しい目を向けています。そうした安全なものを食べたいという願いをかなえるだけでなく、街おこしや経済の活性化にもつながる交流会だったと思います。それも、みなさんがいいものを作り続けてきたから。これからも一緒にがんばりましょう。
消費者の感心は安全性に日本マタイ 米穀事業部 宮地 摩泰さん今はもう価格破壊の時代ではない。消費者の関心は、価格から安全性に移っている。しかも単に「安全です」というだけでは不十分で、それが信用されなければ意味がない時代だ。「この人がこうやって作っています」と言える米を作ってほしいと思う。
産地と消費者を結ぶ専門家必要東京城南食糧販売協同組合 営業三部 金澤 吉祐さん日本の昔からの流通形態が見直されるべきだと思う。流通のコストダウンもある程度は必要だが、産地と消費者を結ぶ専門的な知識を持つ人が必要だ。買う人が「うまくて、安全で、しかも安いもの」というのもわかるが、それでは作る人が生活できない。そこを理解してもらうことが重要だ。
(新聞「農民」2002.8.5付)
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[2002年8月]
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