「農民」記事データベース20020729-549-04

殺すより、増やさない

害虫防除 (13)


各野菜の害虫 キャベツなど(2)

 今回は、前回に引き続いてキャベツ、ハクサイ、ダイコン、コカブなどにつくキスジノミハムシを紹介します。

 2 キスジノミハムシ

 (1)見分けかた

 成虫は体長二ミリの甲虫(コウチュウ・注1)で、背中側の体色は黒地に黄色の太い縦帯が二本あります(図1〈図はありません〉・注2)。捕らえようとすると、飛び跳ねて逃げますが、晴れた日に黄色水盤に飛び込むので、これで確認してください。

 四月頃からアブラナ科野菜の葉を食害し、一ミリくらいの小さな穴が葉一面にでます(図2〈図はありません〉)。十月まで被害が見られますが、特に六〜八月に多く、幼苗期の野菜が激しく食害されると、枯れることもあります。

 老令幼虫は体長八ミリ、頭部は褐色、胴部は乳白色のウジムシ状です。幼虫は地中で野菜の根を食害します。ダイコン、カブでは発生初期の食い跡が根の肥大にともなって拡大・変形するので診断は難しい。

 また、ダイコンの根部が肥大して表皮が厚くなった時期に加害されると、直系一ミリくらいの黒褐色の穴が点々とつきます。

 この虫の咬み跡から病原菌が侵入し、黒腐病、軟腐病が発病することがあります。

 暖冬、六〜七月の少雨、アブラナ科野菜の連作で多発生します。ウリ類とナスも食害します。

 (2)防ぎかた

 (1)ワリフなどのベタがけで、成虫の産卵を防ぐ。

 (2)この虫は土の中で羽化し、トンネル被覆してもその中で増えるので防除が難しい。

(注1)甲虫とはコガネムシの仲間の別名で、硬いさやばねを持っています。
(注2)昆虫の体色や模様は、ふつう背中から見たものです。
桑山洋三(農の会会員)

(新聞「農民」2002.7.29付)
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2002年7月

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