アキアカネが羽化したよ石川・辰口町 牧田孝允さん米作りの技術講習や田まわりに力を入れている石川県農民連。辰口町の牧田孝允さんから届いたお便りを紹介します。
様ざまな生き物が共存する田んぼ六月十日ころからアキアカネ(赤とんぼ)の羽化を確認し、深夜の撮影に成功しました。稲を登ったヤゴはまず頭を出し、身震いするように少しずつ抜けていきます。ほぼ出きった約二十分後、突然体を大きくゆすり、頭を持ち上げて抜け殻をつかむ。息をのむ「転換」の瞬間です。その後、羽とシッポをズンズン伸ばし、大空を飛ぶスラッとしたとんぼの姿に、ゆっくり時間をかけて変わっていきました。 田んぼで赤とんぼを初めて見つけたのは、八年前だと思います。「六月に赤とんぼ、なんでやろ」と不思議でした。百姓でありながらその時は、赤とんぼが六月に田んぼで生まれ、いったん山に行き、秋に産卵のために田んぼに帰ってくるとは知らなかったのです。 最初は明け方に羽化すると思っていました。一週間の観察で、暗くなり始めた夜八時ころからヤゴが登り始めて、早い者は十時ころには羽化が終わる。真夜中、そのドラマが続けられていることがわかりました。 イトトンボの生息も確認しました。土をすくって見ると、イトミミズやユスリカの幼虫もたくさんいます。ツバメやホタルも飛び、どじょうも確認しました。田んぼは、様々な生物が共生する場です。
栽培技術への思い培った新婦人産直私は、水稲一・五ヘクタール、畑作二十アールを営む兼業農家です。私の無農薬栽培への思いを培ってきたのは、新婦人産直です。 農民連に入会し、新婦人との産直交流会に参加するなかで、「安心・安全」、しかも「日本のお米が食べたい」という、彼女たちの“食”にかける思いを知りました。それ以降毎年、食と農についての語り合いを続け、これと並行するように農薬や除草剤を使わない稲作りに挑戦してきました。 最近、食の「安全・安心」のために、栽培履歴の公表など情報公開が叫ばれています。そんな時だからこそ、「安全・安心」の栽培技術とはどんな技術なのかを自問自答し、「栽培技術への挑戦者」になることが求められていると思っています。
(新聞「農民」2002.7.22付)
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[2002年7月]
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