「農民」記事データベース20020715-547-13

記録映画

『風ものがたり――食と農の環境 』


 田んぼの水に映る樹々、苗にぶらさがった透明な水滴、ダイナミックに波打つ秋の稲穂…。

 美しい自然に郷愁をさそわれ、心身が解き放たれる心地よさを味わえるのが、この記録映画「風ものがたり」の魅力です。

 都会の人たちが寄せる自然への思いとともに、生産者が農作業の多忙さに埋没せず、周囲の豊かな自然を宝物と思っている姿が新鮮に映ります。

 「風ものがたり」は、生産者と市民グループを紹介。有機農業に精を出し、消費者との交流を通して、農業を続ける確信をもつ生産者たち。農薬の空中散布の反対がきっかけで、農業そのものを考えるようになった消費者たち。双方が一つずつ認識を深めて近づき、生産者と消費者の絆が生まれます。登場する人たちの穏やかな眼差しは、子どもたちに豊かな自然を残したいと、未来にも向けられています。

 渓谷をくぐったさわやかな風、田んぼをわたるやさしい風、緑の少ない都会を駆け抜けた風。何かを教えてくれる風の声。そんな風の声に耳を傾けてみませんかと促される一作です。


 「風ものがたり―食と農と環境」。16ミリ、五八分。一九九五年度作品。「アース・ビジョン第五回地球環境映画祭・環境教育映像賞受賞」。問い合わせ先=「風ものがたり」映画製作委員会

TEL・FAX 078―333―8690

(新聞「農民」2002.7.15付)
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2002年7月

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