殺すより、増やさない害虫防除 (11)
野菜の共通害虫 ネキリムシ、タバコガ1 ネキリムシ(1)見分けかた カブラヤガの幼虫です。定植した苗を根際で切断し、半分くらい土中に引き込みます。その株元を指でほじると体をまるめたイモムシが見つかります。 若令幼虫はこげ茶色でヨトウムシに似ています。中・老令幼虫は黒〜茶色でサメ肌状、体表面に小さなイボが数列並び、黒光りしてボタンのように見えます(写真)。 (2)特徴 加害する野菜はダイコン、ハクサイ、カブ、レタス、キャベツ、ネギ、ナス、トマト、ピーマン、ニンジン、ゴボウ、サツマイモ、イチゴなどです。被害は春から初夏にかけて定植後間もない野菜に多く、ついで八月から九月に播種・定植する野菜に出ます。 この虫は耕うん・定植前からその畑にいて雑草を食べていますが、耕うん作業によって食欲が刺激され、定植した苗を食害するようです。 夏は天敵(クモ、ヒメハナカメムシ、ウイルス)によってほとんど増えません。 (3)防ぎかた (1)マルチ栽培によって被害が減る。 (2)耕うん整地後、土が落ち着いて、表面がなめらかになってから定植したところ被害が減った例がある。
2 タバコガ(1)見分けかた 幼虫がピーマンやトマトの果実に入って食害します。果実表面に丸い小さな穴があき、腐ったり、落果したりします。老令幼虫は淡緑色で、体側に茶色と黒色のリボン状の紋があります。 (2)特徴と防ぎかた 加害する野菜はピーマン、トマト、ナス、レタス、カボチャ、トウモロコシなどです。 卵がふ化してすぐに果実に侵入します。成虫は、六、八、九月を中心に連続して発生します。 薬剤による防除は困難ですが、八月にふ化幼虫を対象として、果実への侵入防止のため薬剤を散布します。 桑山洋三(農の会会員)
(新聞「農民」2002.7.15付)
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[2002年7月]
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