「農民」記事データベース20020715-547-02

新法を力に、引き続き運動を

BSE法施行

日本共産党中林議員に聞く


 「BSE(牛海綿状脳症)特別措置法」が七月四日、施行されました。国民の粘り強い運動と野党の結束によって勝ちとった新法。日本共産党の中林よし子衆院議員に、今後の展望も含めて話を聞きました。

 新法は国民の運動の成果

 BSE新法は、国民の運動の成果です。ここに大いに確信をもってほしいと思います。農民連の請求書運動、そして野党四党で共同提出した法案、その成立を求める百万を超える署名、政府の責任を厳しく指摘した「BSE問題に関する調査検討委員会」の報告が、当初は「法律はいらない」と言ってきた政府・与党を動かしました。

 新法の第九条には、「経営の安定を図るために必要な措置を講ずる」と、はっきりと書き込まれ、それを含めて、国が「基本計画」を策定することとされました。

 ところが、農水省の担当者によると、七月中・下旬に基本計画を公表するそうですが、その中身は、私たちが思い描いていたものとはほど遠いということがわかってきました。ここをどう充実させていくかが当面の問題です。野党四党で話し合い、できれば今国会中に委員会を開かせてしっかりした内容を書き込ませる、それができなくても四党で申し入れをして、今までの到達点を絶対に後退させない、むしろ前進させるために力を尽くすつもりです。

 新法を拠どころにして

 日本共産党は、農家も業者も何も悪くないのに一夜にして奈落の底に突き落とされた、国がしっかりと対応していれば防げたはずだと、一貫して追及してきました。とりわけ九六年にWHOから肉骨粉禁止勧告を受けながら、課長通知による、肉骨粉の使用禁止を行政指導にとどめた政府の対応です。

 政府は初め、会議の「要旨」を示して専門家の意見も聞いて決めたんだと言っていました。しかしその後、同じ会議のもっと詳しい「議事メモ」が公になると、専門家から法的禁止をすべきだという声があがっていたことが明らかになりました。専門家の意見をねじ曲げて行政指導にとどめた、こんなことは絶対に許されません。

 それだけに本来なら、農家や業者の方が被った損失を国がすべて補償するよう、新法に明記すべきだけれども、全会派一致で法律を成立させるうえで、この点は残念ながら折れざるを得なかったという経緯があります。

 しかし新法には「必要な措置を講ずる」とあるのだから、「今のままでは経営が立ち行かんぞ」とどんどん言っていけば、これを充実させることができます。基本計画も一度作られれば終わりではなく、みなさんの声をもとに改正させていくこともできます。新法を拠りどころにして運動を続けることが重要です。

 高級ブランド牛肉は、それなりに値を戻していますが、F1やホルスの肉などは去年と比べて半値近くです。日本共産党も引き続き要求していきますが、農民連が中心になって声をあげていってほしいと思います。

(新聞「農民」2002.7.15付)
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2002年7月

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