殺すより、増やさない害虫防除 (9)
野菜の共通害虫 ダニ類野菜を加害する主なダニは、ハダニ(図1〈図はありません〉)とチャノホコリダニです。
1 ハダニ(1)特徴と見わけかた 成虫の体長は〇・五ミリくらいで脚が四対(八本)、体色は赤色と淡黄緑色のものがいます。下位葉の裏に多く、葉は黄化して落葉します。六〜九月に活動し、ひどく乾燥すると大発生します。 ハダニはイチゴ、キュウリ、スイカ、ナス、トマト、インゲン、サツマイモ、サトイモなど、ほとんどの農作物に寄生します。寄生している植物がしおれたり弱ったりすると風や歩行によって分散し、元気の良い植物の葉に移動します。また、ハダニは雨に弱く、テントウムシ、クサカゲロウの幼虫、肉食性のダニなどの天敵がいて、野山では細々と暮らしています。 (2)防ぎかた (1)果菜類では、鮮やかな緑色の葉の表に、非常に小さな白いポツポツが十個くらい現れたら、葉の裏を虫メガネで見る。このポツポツはダニの食いあとの疑いが濃い。定植後もしばらくの間はよく見て、この食いあとを探し初期防除を行う。 (2)果菜類では整枝、下葉かきの残渣を図2のように処理する。収穫後などで残渣が多い場合は、畑やハウスから離れた雑草の茂る空き地などに早々に運ぶ。 (3)薬剤による防除は、寄生初期に下位葉を中心に行う。ただし(2)の作業後に行う。ダニは薬剤抵抗性が出やすいので、数種類の薬剤を使いまわす。使う順序は農業改良普及センターで相談に乗ってもらうとよいでしょう。 (4)定植時や補植のとき、よそから苗を持ち込む場合は注意する。
2 チャノホコリダニ成虫の体長は〇・二ミリくらいで体色は乳白色から淡褐色、野菜や茶樹に寄生します。特にナスの芽やつぼみに寄生し、葉の裏側がつやのある茶褐色になります。 茎や果実も灰褐色のサメ肌状態になります。ハダニと違って高い湿度を好み、夏から秋に、新葉の裏側に多く発生します。 桑山洋三(農の会会員)
(新聞「農民」2002.7.1付)
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[2002年7月]
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