「農民」記事データベース20020701-545-11

初夏の浅間山

東南に下る噴煙


 六月九日朝六時、浅間山の噴煙が右(東南)に下りています。普段、浅間山の煙は向こう側(群馬県)へ下がるか、東へ棚引くのですが、こういう下がり方は初冬から早春にかけて、ごく寒さの厳しいときにしか見られない情景です。

 初冬や早春の野良仕事で一番つらい印象的な噴煙。それが、こともあろうに六月も十日近くなって。五月二十七日と二十八日の朝は峰にうっすらとした雪(昼ころまで融けなかった!)が降りました。これも異常です。

 五十年前、たしか昭和二十七年頃の五月二十七日に晩霜が降って春蚕の桑が全滅し、養蚕農家が大騒ぎしました。以来、毎年この時期の霜に注意していましたが、あんな晩霜は一度もありません。ましてや、今ごろの浅間山の冠雪など記憶にありません。

 北の高気圧の強さを示すこの現象。こんな調子では「梅雨明けは遅く、小麦の収穫は長雨で悩まされないだろうか?」「稲の花粉母細胞の減数分裂期に異常低温はないだろうか?」と、桜の開花が半月近くも早かったこととあわせて心配でなりません。

(長野県佐久市 小林節夫)

(新聞「農民」2002.7.1付)
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2002年7月

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