旬の味
田植えの季節。日に日に平野の田が薄緑に染まって行く。今年のわが家の苗は余り良くなかった。「過保護に育ててはいけない」と、夜間に被膜をしなかったため、低温で根の成育が停滞。翌日の「陽風(ひかぜ)」で葉が丸まったが、大事には至らず、少々の“茶髪”姿で本田へ。苗運びを見ていた近所のおばちゃんから「今、流行だ」と冷やかされ、思わず苦笑い▼91年から米作りを始めた。「立派な稲姿だ」(青田誉め)と周りの農家から言われた年はみごとに「倒伏」。もちろん品質、収量も悪く、一面「青畳」に。このとき、親父が「勉強代が高くついた」と言った言葉を、今でもしっかり記憶している。翌年は慎重にしすぎて茎数不足となった▼今年は十二回目の米作り。人間で言えば小学校から中学校に「進学」というところだが、どうもそう上手くはゆかない▼「百姓は毎年一年生」と言われるが、私には教え、助けてくれる農民連の仲間たちがいる。「田廻り」や「栽培カルテ」で、今年もおいしい米作りをめざして仲間と一緒に頑張っていきたい。 (巌)
(新聞「農民」2002.5.27付)
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[2002年5月]
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