「農民」記事データベース20020527-540-08

農村の風景を毎日インターネットで配信

“心の元気を届けたい”

関連/NOCUSる


1000点超えた記念に写真展

茨城・県北 鈴木孝夫さん

 「作る顔が見える食べものとともに、心の元気も届けたい」――。茨城・県北農民センターの事務局長、鈴木孝夫さんは、インターネットを使って農村の写真を毎日配信しています(その名も『FOCUS』をもじった「NOCUSる――農家する」)。三年半撮り続けた写真は千点を超え、それを記念して四月十七日から五月十二日まで、北茨城市のギャラリー茶房「ケルン」で写真展を開きました。

 「ふるさとは、昔は遠くにありて思うもの、今は近くにあって守るもの、真っ只中で作るもの」という鈴木さん。展示してある写真は、新緑、紅葉、雪化粧…と四季折々の美しさを見せるふるさとの清流など約五十点。店内のノートには、「北茨城市に生まれて半世紀。こんなに美しい土地に暮らしていたことを初めて知りました」「お百姓は大変でしょうけど“作る”喜びを楽しみながらがんばってください」といった感想が寄せられています。

 三・七ヘクタールの水田を耕し、アイガモ除草による無農薬の米を作るかたわら、三百羽の平飼い養鶏を営む鈴木さん。もちろん農作業のなかで出会った場面を写したものもたくさんあります。

 写真右〈写真はありません〉は、湯気が立ち昇る水田。太平洋から吹く冷涼な風によって、田面の水蒸気が冷やされて起こる幻想的な現象に、思わず手を休めて撮りました。

 写真左〈写真はありません〉は、アイガモのヒナを抱く鶏。ふつう採卵鶏は効率を上げるために卵を抱かないように品種改良されていますが、中には本能に目覚める鶏も。それを飼って、アイガモの卵を抱かせるのも鈴木さんならでは。

 「一万点を超えたら東京ドームで個展を開くよ」と笑う鈴木さんに、「上手に撮るコツ」をたずねると、「写真の腕は二の次。ふだん出会っているはずの、心動かされる光景に気づくこと」という答が返ってきました。

(鈴木さんのホームページのアドレスはhttp://www.suzuki31.com

(新聞「農民」2002.5.27付)
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2002年5月

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