「農民」記事データベース20020520-539-11

旬の味


 端午の節句に孫娘ともち草よもぎを摘みに行った。草を摘みながら思い出にふけった▼かつて基盤整備のためよもぎが少なくなったので、よそから移植しようとしたら「少しあればいいんだよ」と母に笑われた▼なぜ摘むのは若芽か? 摘めばまた脇芽が出る。欲張ってあちこちのよもぎを摘んでいると、次に摘むのは間遠になる。だから楽しむ時期は短いし、全体として収量は少ない。摘まなければ何もならない。必要なだけあればいいのだ。それでは何ほどもないと思うと、わが家には冬でも冷凍よもぎがあり、ひな祭りの五色の菱餅にも使える。これも一つのスローフードではないか▼代掻きは不思議と減反を連想させる。そこでよもぎの話を思い出した。規模拡大を進め、一方で減反を押しつけていることだ。規模拡大しても作らなければ意味がない。よもぎの話と同じではないか▼「一利を生むは一害を除くにしかず。一物を興すは一事を省くにしかず」▼農業を興すにも一物(減反・輸入)を省くにしかず。小泉内閣も省くにしかずということか。

(節)

(新聞「農民」2002.5.20付)
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2002年5月

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