「農民」記事データベース20020520-539-08

21世紀の未来に向けて

青年を地域づくりの先頭に

山形庄内地方のとりくみ


 これから地域をどうするのか?――。二十一世紀の庄内地域づくりシンポジウムに向けて、青年主体の取り組みが進んでいます。山形・庄内地方では三十年前から、十年の節目ごとに「地域を語るつどい」を行い、地域の様々な団体が、活動交流を行ってきました。そういう伝統がある地域ですが、若い世代の参加を位置づけて行うのはこれが初めてです。

 二十一世紀の最初に行われるこの「地域シンポ」には庄内農民センターをはじめ、三十八の様々な団体が参加しています。シンポの事務局には庄内農民センター事務局長の菅井巌さん(33)をはじめ、三十代の青年四人が参加し、六月九日に開くシンポでは青年だけで一つの分科会を担当することになっています。

 地域シンポで、青年の参加を位置づけたことについて、地域シンポの事務局長を務める「庄内地域づくりと子育て文化協同の会」の白幡康則さん(67)は「地域の運動を担っている世代と若い人とでは、地域作りへの思いにギャップがあり、若い人が主体的にやっていくことの意味をどう位置づけるのか模索したい」と話します。

 さらに、白幡さんは、地域における教育活動の一覧表を示しながら、入学前から小・中・高校までは、地域におけるなんらかの教育文化活動があるものの、十八歳からの青年は手薄になっていると説明し、庄内で青年の教育活動をどう進めるかが課題だと話します。

 地域シンポの事務局次長として取り組みに参加している庄内医療生協の三浦寿一さん(33)は、二十代の青年や学生に地域シンポへの参加を呼びかけ、これから地域で青年の活動を考えていく「いちなな会」を立ち上げ、三月から毎月一回、十七日に集まりを持っています。この「いちなな会」について三浦さんは「地域作りは人作りだと思う。青年が語り合い、自分たちで行動する楽しさを味わえる場所にしたい。六月のシンポを、青年が自らの力で地域や社会を変える運動につなげたい」と話しています。

(森吉 秀樹)

(新聞「農民」2002.5.20付)
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2002年5月

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