「うまい、故郷の味がするネ」農民連・産直協 農水省地下売店に初「出店」好評、職員との交流もできた
「農水省職員のみなさん。安全でおいしい農民連の農産物をぜひお買い求めください」――農民連・産直協は四月二十二日から二十六日の五日間、初めて農水省本省の地下で「短期売店」を行いました。 「短期売店」は全農林東京地本が「食と農」に関わる広範な人たちとの交流をめざして「生産と消費を結ぶ連絡会」を結成、その具体的な取り組みとして実施したもの。 多くの農水省本庁職員は農業の現場がわからなくなっているといわれるなかで、「短期売店」は生産者の作る喜びや苦労している姿を伝え、知ってもらえる機会になりました。同時に、日本の食と農を守ろうという生産者と職員の共通の思いが通じ合い、交流の場にもなりました。 当面、二カ月に一回の開催の予定で、次回は六月です。
各地の旬の味がズラリ農水省職員生協の地下売店の一角に据えられた三つのテーブルが「短期売店」の場所。出店したのは青森、茨城、千葉、埼玉、東京、長野、静岡の農民連・産直組織。販売品目は野菜、果樹、加工品など多種多様(別項)。出店組織から毎日、数人が販売に参加しました。
小笠原産トマトなどに人気青森の石村孝憲さんと須郷貞次郎さんは「私たちが作りました」と書いた生産者グループの写真も飾り、“顔の見える”安心・安全さをアピールするなど、創意工夫をこらして参加しました。東京都内から千キロも離れた小笠原からは、長い日照時間と強い日差しの条件を生かして露地栽培しているトマトとインゲン。トマトを試食した職員は「ハウスで作ったんではないんですね。甘味があり、旬の味だ」と絶賛。「いまの時期に露地栽培のトマトはめずらしい」と、まとめ買いした職員もいました。青森のリンゴジュースを飲んだ人たちは「本当においしい」と何本も購入。静岡・細江の青島みかんジュースを子どもに飲ませたら、「おいしかったからまた買ってきて」といわれて翌日、四本も買った職員もいました。 「東京・町田の酪農家が搾って低温殺菌した牛乳で作ったアイスクリームです。食べてみて」という呼びかけに応えて買い求めた職員は「バニラ、ミルク、抹茶など何種類もあるんですか。こだわりのアイスクリームですね。東京でも酪農家が頑張っているんですね」と感激。「明日もまた買いにきます」という職員もかなりいました。 毎日のように買い求めた職員と顔なじみになったり、出身の県が同じだということでふるさとの話題に花を咲かせるなどの光景も。 農水省の地下で販売することに対して自治体などからの期待もあり、青森県鶴田町では六カ月前に申し込めば交通費を補助するという話も生まれています。 産直協事務局はチラシを作成し、毎朝、農水省前で配り宣伝。 四月二十五日の交流会では、公務員制度改悪に反対する運動をともに取り組もうという話になりました。また、農民連の会員は、全農林東京地本の組合員の案内で“不夜城”と言われる夜の農水省の職場を見学するなど、交流を深めました。
◆「短期売店」で販売された品目◆▼青森=リンゴ(ふじ、王林)、リンゴジュース、ブドウジュース(スチュウベン)、青森産しその葉 (新聞「農民」2002.5.20付)
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[2002年5月]
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