「農民」記事データベース20020513-538-06

殺すより、増やさない

害虫防除 (2)


虫の基礎知識 昆虫の一生

 昆虫の一生は、卵、幼虫、蛹(さなぎ)、成虫と変化します。卵から幼虫になることを「ふ化」、幼虫から蛹になることを「蛹化」(ようか)、蛹から成虫になることを「羽化」(うか)といいます。このような一生を送る昆虫を完全変態の昆虫、蛹のない昆虫を不完全変態の昆虫といいます。

 昆虫は体の中に骨がなく、成虫は外骨格でおおわれています。幼虫も同様で、丈夫な表皮でつつまれています。幼虫は、よく食べ、よく育つことが目的なので、イモムシやケムシなど、どの虫をとっても同じような姿をしています。

 成長するためには、大きいサイズの表皮に着がえてゆかねばなりません。このことを脱皮といいます。

 成虫になるともっぱら交尾と産卵に専念します。子孫を残し、分布域を広げていくという、生きものにとって重要な仕事をします。

 親に似ぬ子

 昆虫図鑑にはふつう成虫の図が載っています。幼虫を見ても何という虫かは即座にわかりません。こんな場合は、専門家でも成虫に育ててから調べます。

 名前(種名)や特徴がわかれば、昆虫に詳しい人からいろいろなことを教えてもらえます。各県の農業試験場や普及センターに、詳しい人がいると思います。

 昆虫の名前を調べるには、前号の表を参考にして見当をつけてください。さらに次のことをチェックしてください。

 (1)体長、(2)体の幅、(3)地の色と模様、(4)幼虫ならば尺をとって歩くか、(5)見つけた月日、(6)食害されていた農作物名とその部分、(7)見つけたところ(水田、畑、ハウス内など)

桑山洋三(農の会会員)

(新聞「農民」2002.5.13付)
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2002年5月

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