「農民」記事データベース20020506-537-19

農村から情報発信

千葉・多古町旬の味産直センター


 多古町旬の味産直センターでは、温暖な気候と火山灰土を生かして根菜類をはじめ、葉物、果菜、きのこ類、卵、大豆製品(味噌・納豆・きなこ)、米などを供給しています。ボックスには野菜と一緒に、生産者の記事や産地情報、レシピなどを入れて、産地を身近に感じ、“人生の楽しみの時間”として食生活を送っていただきたいと願っています。

 また年四回、『しんのみ畑』という冊子も発行しています。「しんのみ」とは“みそ汁の実”が訛って、昔から農家が自家用に作ってきた安全で新鮮な野菜という意味。「しんのみ野菜をお届けしたい」――それが旬の味産直センターの理念であり、アピールしたいことでもあります。

 私たちが携わる農業は「同じ」ということがない自然環境で育ちます。だから味・外見、どれをとっても均一などあり得ません。しかし現在では、大量生産・消費のもとで効率・大衆化の波が押し寄せています。

 昨年、当センターで、食文化や食料生産をとらえなおそうというスローフード運動の発祥地、イタリアのBRAという町の祭りを視察しました。ここで教えられたのは「違い(バラエティー)を楽しむことは、めぐって自分の居場所(スタイル)を得ることだ」でした。心も時間も、人生には余裕を持ちたいですし、何が入って、誰が作っているかわからない食事はあまりにも悲しすぎます。

 情報や既製品があふれる今、逆に自分流をみつけるよい機会だと思います。農村から食を通して、そんな価値観を発信したいと思います。

(徳益友紀子)

(新聞「農民」2002.4.29・5.6付)
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2002年5月

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