遺伝子組み換え食品“いらない”“食べない”“作らない”消費者団体がデモ行進
コーデックス委員会がGMOの基準づくり“安全基準に不安残す”トレーサビリティーを議論遺伝子組み換え(GM)食品の安全性の国際基準を作るために、コーデックス委員会バイオテクノロジー応用食品特別部会が、三月四日から八日まで横浜市の国際会議場で開かれました。毎年この時期に日本で開かれており、今回で三回目。四十一カ国の政府代表、六の国際機関、十四のNGOから約三百人が参加して健康被害の発生や拡大を防ぐ「リスク分析の原則」やGM食品の安全性の指針について議論しました。今回の会議でもっとも議論になったのは、安全性の評価に、トレーサビリティー(生産履歴を追跡する仕組みと製造者責任)を採用するかどうかです。消費者利益を訴える欧州連合(EU)が強く主張しましたが、食品の輸出をしやすくしたいアメリカなどの横車で、トレーシング(原因の追及可能)で妥協。日本政府は「議長国だから」と何も発言せず、アメリカに加担しました。 また、安全基準には、GM食品と非GM食品は実質的に同等だとする「実質的同等性」が採用され、食用にするための長期的な安全実験などは採用されず、安全性に不安を抱く消費者の声は無視されました。
コーデックスNGO行動農民連も参加している「コーデックスNGO行動」は、会議初日の三月四日、議場入りする海外代表や会議参加者にビラを手渡し、「遺伝子組み換え反対」を訴えました。昼には生協や消費者団体など全国から集まった五百人が、工夫をこらした扮装で議場周辺をデモ行進。色とりどりの旗、かかしや稲穂も登場して、「サザエさん」「明日があるさ」の“遺伝子組み換え版替え歌”を歌って、にぎやかにアピールしました。
NGO報告集会三月九日に明治大学で開かれた「NGO報告集会」では、七人の会議参加者が報告。「EUではノーGMO(遺伝子組み換え食品)の運動が広がっている。厳しい基準で輸入規制を強める」とスウェーデンのマーチンフリッド氏。また、インドなどで起きているノーGMのたたかいの発言がありました。 集会では、コーデックス・バイオ部会の最終会議が開かれる来年三月に向けて、日本と世界で「遺伝子組み換え食品いらない」の運動を強めることを確認。(1)油やしょう油をはじめ、全面的な表示の実施、(2)長期の実験による人、動物、環境への安全チェック、(3)製造者責任の追及、(4)組み換え汚染の防止を求めていくことが強調されました。
(新聞「農民」2002.3.25付)
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[2002年3月]
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