またまた冷凍野菜に残留農薬農民連食品分析センターが検出
発ガン性農薬、基準値の9倍も農民連食品分析センターは二月十九日から三月五日、市販の中国産冷凍野菜を分析し、基準値を超える残留農薬を検出しました。基準値をオーバーしていたのは、ダイエーが輸入した「フローズンベジタブル 便利冷凍野菜ほうれん草」、ノースイの「キャプテンクックほうれん草のバター炒め」、日本水産の「塩あじ茶豆」の三品目。また日本水産の「塩あじ枝豆」、ニチレイの「小分けホウレンソウ」の二品目からも残留農薬を検出しました(表)。
分析センターが冷凍野菜から残留農薬を検出したのは、一昨年十二月以来、二度目。 中国の農薬汚染については、昨年十二月に「中国青年報」という新聞が「中国国内に流通している野菜の五割近くから国内基準を上回る残留農薬検出」と報じ、厚生労働省の問い合せに対して中国政府もこれを認めました。今回の分析結果は、こうした中国国内の農薬汚染の実態の一端を示すものです。 冷凍ホウレンソウから基準値の九倍の濃度が検出されたクロルピリホスは、白アリ駆除などに使う殺虫剤で、発ガン性、遺伝毒性があり、たいへん毒性が強いものです。また、一・四倍の濃度で見つかったフェンバレレートにも遺伝毒性があります。
冷凍食品は抜け穴「中国青年報」の報道を受けて、厚生労働省は今年一月を中国野菜の「検査強化月間」に位置づけて検疫を強化しました。その結果、六種類九件(ブロッコリー、オオバ、ニラ、パクチョイ、サイシン、ケール)の生鮮野菜から基準値を超える残留農薬を検出しました。ところが厚生労働省の検査には、重大な抜け穴があります。それが今回分析した冷凍食品。「個別包装で、検査しにくい」と検疫強化の対象からはずされました。 昨年一年間の野菜輸入量は、過去最高の二百八十六万トン。そのうち中国産は、百四十九万トンで全体の五二%を占め、年々増加する野菜輸入のなかで、とくに目立った伸びを示しています。 輸入品が九割を占めている冷凍野菜。その中で中国産の割合は六三%(約三十万トン)。冷凍ホウレンソウでは一〇〇%(約五万トン)、冷凍枝豆でも六割(七万五千トン)が中国産です。 日本国内に大量に出回っている輸入野菜が農薬まみれこれでは国民の健康は壊されるばかりです。「生鮮とともに、冷凍もしっかり検査しろ」「年間を通じて検疫強化を」の声をさらに大きくしていくときです。
食品の産地偽装、不正表示一覧1月23日 雪印食品関西ミートセンター(兵庫県伊丹市)が昨年10月、オーストラリアからの輸入牛肉を国産牛肉の箱に詰め替え、BSE対策費で買い取らせる (新聞「農民」2002.3.25付)
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[2002年3月]
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