「農民」記事データベース20020318-531-08

“生まれて初めて、雪を見たよ”

沖縄新婦人が秋田農民連を訪問


 「雪を見るのは生れて初めて。降ってくる雪に思わず口をあけて食べてみました」

 二月十五日、冬の伝統行事、横手のかまくら見学のために真冬の秋田を訪れた沖縄新婦人の一行九人が、大阪からも一人加わって、秋田農民連と交流しました。

 「雪はもっと痛いかと思っていたが、ふあふあして意外とやさしいものですね」。現地に着いた一行はめずらしい雪とたわむれ、子どもたちは、かまくらに入ったり出たり、寒さをものともせず動きまわります。

 米産直がきっかけ

 秋田空港で雪靴にはきかえ、すっかり秋田の人になりきったようです。かまくら会場では、ふるまわれた温かい甘酒や本物の地酒に、ほほはほんのり桜色に。見渡す限りの銀世界のなか、秋田の農業の歴史と文化、伝統工芸、角館町の武家屋敷などを心ゆくまで探索しました。

 温泉「ゆぽぽ」での交流会は、郷土料理や地酒(自酒)、いぶりがっこなど農民連会員が作った漬物に舌鼓をうちながら夜遅くまで、それぞれの思いを語り合いました。

 沖縄と秋田の交流は、昨年から始まった米産直がきっかけ。十一月に秋田から六人が沖縄を訪問し、友情と連帯を築いてきました。秋田の農民が作った大豆と「あきたこまち」の米麹で味噌作りにも挑戦。「おいしく出来あがり、毎日食べている」との報告もありました。

 田沢湖スキー場で、初めてスキーを体験した小学六年生の瀬長結さん、四年の麗美さん、一年の菜奈さんの三姉妹は大はしゃぎ。農民連会員の息子さんたちの熱心なコーチで、「一日で滑れるようになった」と喜んでいました。

 横手市には、元農民連顧問(元秋田県連委員長)で作家の故・鈴木清さんの文学碑があります。雪深い横手公園の一郭を訪れた一行は、「秋田の“セナガ(瀬長亀次郎)さん”ですね」といって、感慨深そうに見入っていました。

 沖縄に連帯のカンパ

 今年の県連大会では、基地のなかに沖縄がある現実、米軍基地の物々しさと恐ろしさ、辺野古の美しい海など、沖縄で見てきたことを報告。「ジュゴンの棲む海に米軍基地はいらない」と、沖縄の住民運動を励ますカンパを訴えました。

 交流会の最後に、このときに集まったカンパが手渡され、日本の米と農業を守る運動と、かけがえのない美しい沖縄の海に米軍基地を作らせない運動の心はひとつ、これからも連帯をいっそう強めていこうと誓い合いました。

(秋田県連 佐藤長右衛門)

(新聞「農民」2002.3.18付)
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2002年3月

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