旬の味
陽ざしも柔らかくなり春の息吹を感じさせる季節になった。北海道でも今年の作付に向けて野菜の種まきが始まっている。我が家では玉ねぎの種まきに、昨年収穫した玉ねぎの出荷も重なり忙しい毎日が続いている▼それにしても、今年の玉ねぎの安値は異常だ。生産者の手取価格はキロ三十五円で、肥料などの生産費が五十円かかるから、まったくの赤字で、例年の半値という水準だ。東京のスーパーでは四〜五玉(一キロ)百九十八円で売られているというが、生産者手取価格との差額百六十五円はいったいどこに行ってしまったのか▼道内の各産地からは、玉ねぎの作付を減らして他作物に転換する動きが聞こえてくる。輸入に押され国産が減少する図式だがなんともやりきれない▼BSEや偽装表示、農薬まみれの輸入野菜などで消費者からは「何を信じて食べたらいいの?」と食への不安の声が寄せられる。こんな時だからこそ、国に日本農業を守る施策を強く求めるとともに、生産から撤退せず安全な国産農畜産物を消費者に届けるときだと思う。 (白)
(新聞「農民」2002.3.11付)
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[2002年3月]
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