「農民」記事データベース20020311-530-09

演劇

自由とは何か

児演協『消えた海賊』


 児演協(日本児童・青少年演劇劇団協同組合)が主催する「消えた海賊」(広渡常敏=作・演出、林光=音楽)は、東京演劇アンサンブルを中心に、仲間、新人会、東京芸術座、道化の劇団員が参加する合同公演です。

 物語は、あるヨーロッパの不思議な海賊の話。遠い昔、戦争をきらって、自由を求めた若者たちが、命令することばをもたない常識はずれな海賊になります。キャプテンをくじ引きで決め、人殺しをしない約束をして、航海にでかけます。人間の階級や差別を生む「ことば」の恐ろしさや自由のはかなさを、笑いもたっぷりに愉快な音楽とともに描いていきます。歌あり踊りありの楽しい舞台です。

 けいこ場には本番用のセットも組み立てられています。大きな帆船をイメージした骨組みや縄梯子が何本も吊るされています。海賊たちがこの縄梯子にぶらさがりながら歌をうたうシーンは迫力があります。

 主演のカルル(ボヘミヤの王子)を演じる公家義徳さん(東京演劇アンサンブル)は「楽しい物語を、他の劇団の人と一緒にできるのが面白い」と語ります。「みどころは、“自由”とは何かということですね。自分が自由でありたいと思ったとき、隣の人も自由でありたいと思っていることを考えて、はじめて自由になれるのだ、ということ。自由というのは大変なことだけど、それでも自由を求める若者たちの姿に、共感してもらえると思います。なにかに向かって必死にとりくむという生き方は輝いているんですね」。出演はほかに鈴村志門、原口久美子、大瀬美恵ら。体力勝負のエネルギッシュな舞台が期待されます。

(鈴木太郎)

 *3月15日〜17日、23日〜24日東京・武蔵関・ブレヒトの芝居小屋、20日〜21日青山円形劇場、28日〜31日東京芸術劇場小ホール1。連絡先=東京演劇アンサンブル 電話03(3920)5232

(新聞「農民」2002.3.11付)
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2002年3月

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