大分県・久住町 会員らがスーパーに出荷お客さんが産直コーナーにドーッと
水曜日の朝十時。大分市津留にあるスーパーサンライフ津留店では、開店と同時に音楽が流れ、買物客が久住産直野菜をめがけてドーッと流れ込みます。 「トマトがおいしかった。毎週ここに来るのが楽しみ」「この“もやし”(黒ダイズ)、どう料理したらおいしく食べられるの」などと聞いてくるお客さんに、販売に来た農家のお母ちゃんがていねいに教えます。トラックいっぱいあった千数百個の野菜は、七割から八割が午前中に売れてしまいます。
スーパーストアに飛び込みでこのスーパーでの産直は昨年七月頃から始めました。昨年春の県連大会で「直売所などでの粘り強い活動のうえにたって、新たな売り場の確保など多面的な取り組みをし、遅れている組織と新聞『農民』の拡大につなげよう」と決議。全国の経験に学び、県連事務局長の私(阿南)が思い切ってスーパーに飛び込んだのがきっかけです。スーパー本店の部長と、新聞「農民」を見せながら対話。部長から「消費者も安全な国内産を望んでおり、産地を見ながら買っている。店内に外国産を置いているが、あまり売れない。ぜひやってほしい」と言われ、意気投合。「週三回くらいできないか」と言われましたが、会員が少なく、野菜が集まらないので、まずは毎週水曜日に。契約が決まり、具体的な話し合いのなかで、津留店の大久保店長は「私は久住にこだわりたい。“久住産直野菜コーナー”としてやろう」とスタートしました。
平均75歳の女性会員らが仲間をふやしてコーナーには、久住町作成のポスターを観光課からもらって来て掲げ、店内に流すテープには「坊がつる賛歌」(芹洋子)の曲をバックミュージックにして店長自ら「久住の新鮮野菜を朝五時に起きて持って来ています」と吹き込んでいます。週を重ねるたびに産直野菜の売れ行きが良いことから、店長から「もっと会員を増やして、野菜の量も増やしてほしい」と要望されています。この取り組みのなかで、久住町の会員は二十人を超え、倍以上になりました。 平均七十五歳の女性会員たちは「売り場ができて良かった。年金をもらっているが、いまは使わないですむ」「取る金は少ないが、目的ができて生活に張りができた」と話し、近所や親戚に呼びかけて、新しい会員を増やしています。この三月からは、昨年七月頃まで朝市をしていた別府市の住宅街の一角でも再開することにしています。 久住町の会員は、きょうも決意を新たに頑張っています。 (大分県連 阿南勝也)
(新聞「農民」2002.3.11付)
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[2002年3月]
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