「農民」記事データベース20020311-530-06

趣味の農機整備

青木 敬典


第2回 キャブレター

エンジン不調の原因になるガム状物質

 さて、今回はキャブレターの整備について考えます。キャブレターはガソリンと空気を最適な割合でブレンドし、霧状にしてエンジンに送り込む重要な働きがあります。従ってキャブレターの調子が悪いと、エンジンは始動不良に陥ったり、回転ムラを起こしたり、急停止を起こしたりします。

 これらの原因は、ガソリンが揮発した後に残るガム状物質(緑黄色のネチャネチャしたもの)、ガソリンに混入したゴミ、古くなったガソリンなどが考えられます。

 ゴミや古くなった燃料は掃除をしたり交換すれば直りますが、ガム状物質は厄介ですので、これを中心に考えます。

 とりあえず今回はキャブレターのパーツリストを載せておきましたので、参考にしてください。

 ガム状物質はガソリンが揮発した後に残るものですから、使用後も機械にガソリンを入れた状態で保管しておくと発生します。これがキャブレター内のガソリンが通る通路に付着して通路を細くしてしまいます。結果としてガソリンと空気が最適混合状態とならず、燃料が薄い混合状態になってしまいます。その結果、前記の症状が出てしまいます。

 ガソリンの通る通路は、タンク→燃料コック→ニードルバルブと来て、高回転のときはメインジェット→メインノズル、低回転のときはメインジェット→スロー系の通路→パイロットジェット→パイロットスクリューとなります。従って、これらの通路からガム状物質を除去しなければなりませんが、水洗いでは除去できません。専用の化学物質のスプレー材で行います。「チューンアップクリーナ」とか「キャブクリーン」という名で売られています。これらは「人体には使用しないこと」とありますので取り扱いには注意してください。

 次回はガソリンの通路の図を中心にキャブレターの洗浄について書きます。

(農の会会員)

(新聞「農民」2002.3.11付)
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2002年3月

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