「農民」記事データベース20020304-529-04

新連載 産直ボックス丸ごと使って

HAPPY料理

料理研究家 吉田文子さん

関連/「おいしかったヨ〜」と言われるとタマリません

 美味しい「旬」の恵みを、家族や仲間と、お腹いっぱい食べるとき――人生の至福を感じませんか?

 本当の「旬の恵み」は、安全・安心な国産野菜でこそ実現できるおいしさ。農家は消費者の「おいしい!」という一言が聞きたくて、今日も畑を、田んぼを耕しています。新鮮な野菜は、手をかけなくても十分おいしい。手をかけるともっとおいしい。全国各地の「旬」がつまった産直ボックスを上手に使って、今晩のおかずを作りませんか?


太陽の光をいっぱい浴びた野菜

葉先まで無駄なく利用するメニューです

 親しみを感じる手書きの産直ニュースとハリのある新鮮な野菜がいっぱい詰まった嬉しい「たまて箱」を福岡県みのう農民組合さんから送っていただきました。

 冷蔵保存してあったという富有柿。二月半ばにこんなにパリパリした柿があることに驚きました。少し試食してみた

ら、甘さが強くて、おいしくてやめられなくなり、料理に使わなければいけないのにとあせるほど。

 ほうれん草は包んであった新聞紙を取ると、濃い緑の葉を大きく横に広げ、畑で太陽の光をいっぱいに浴びた元気いっぱいな姿。

 みのうでは、一年に二回収穫するということで、まるで新じゃがのような皮薄で甘味のある秋じゃが芋。風味のよいクレソン、柔らかいごほうなど、どれもおいしくいただきました。葉先まで、無駄なく使いまわす一週間のメニューを考えましたが、スペースの都合で、全部をご紹介できず、残念ですが、ぜひ作ってみてくださいね。


 ●1日目

*産直野菜のコトコトスープ*

 長ねぎ太1本の白い部分を3cmくらいのぶつ切りにして、サラダ油大さじ1/2で中火で焼く。そこに水1リットルを注ぎ、じゃが芋2個、大根200g、にんじん1本など、皮つきのまま一口大に大きめに切った野菜、塩小さじ1/2を入れる。
 沸騰したら弱火でコトコト1時間煮る。最後にブロッコリー(他・白かぶ、さやえんどうなど煮過ぎない方がおいしい野菜)、こしょうを加える。
 おいしい産直野菜の甘味を味わうためにあえて塩のみで味つけし肉類を一切入れないで作った。半分くらい食べたら粉チーズを振るとまた違った味わいに。残ったら、トマトを入れたりカレーにしたりと楽しめるので、多めに作るとよい。

*柿と大根のサラダ*

 柿100g・サラダ油・酢各大さじ2・薄口醤油小さじ2・白いりごま大さじ1をミキサーにかけドレッシングを作る。
 大根300g、残りの柿を千切りにして器に盛り、クレソンの葉先を飾り、食べる直前に柿ドレッシングをかける。

 ●2日目

*ブロッコリーのペペロンチーニ風炒め*

*茹でクレソンとイ力のしょうが醤油あえ*

 ●3日目

*ほうれん草カレー*

 じゃが芋大2個400gは皮つきのままくし型切りにして蒸す。
 ほうれん草200gは塩茹でにし水で冷やして絞り、5mmくらいにきざむ。(1束全部茹で、残りは翌日に使うとよい)
 玉ねぎ100gをみじん切りにしてフライパンにサラダ油大さじ1/2を入れて炒め、水400mlを加え5分ほど煮る。
 市販のカレールゥ2・5人分(小1/2箱)を加えて溶かし、ほうれん草を加え3分ほど煮る。
 蒸しあがったじゃが芋の皮を手でつるりとむきながらお皿に盛り、ほうれん草カレーをかける。

*たたきごぼうサラダ*

 ごぼう300gは皮をこそげて太さ1cmくらいになるように縦割りにして5分ほど水につけてアクを抜き、酢を入れたお湯で茹でる。
 温かいうちにすりこぎ等で叩き、柔らかくする。
 ねぎ味噌ドレッシングを作る。ねぎ80gを粗みじんに切り、ごま油大さじ1で炒め、味増大さじ2・5、砂糖小さじ2を加え味をみて甘辛さを調整し、火を止めて酢大さじ1を加える。
 (2倍量で作り、残りを6日目に使う)
 ごぼうをねぎ味噌ドレッシングであえる。

 ●4日目

*肉じゃが味コロッケ*

 じゃが芋400gを蒸してつぶし、1日目に作ったコロッケの素を電子レンジで温めて加え丸め、衣をつけて油で揚げる。

 ●5日目

*マーボ豆腐*

 1日目に作ったマーボ豆腐の素に水1カップを加えて沸かし、味をみて、トウバンジャンや砂糖、中国山椒粉などを加え、自分の好みの味に整える。
 豆腐1丁(300g)を1・5cm角に切って加えひと煮立ちさせ、片栗粉小さじ2を水溶きを加えてとろみをつける。

 ●6日目

*素揚げ大根 ねぎ味噌ドレッシング*

 ●7日目

*鳥から揚げ 山盛りピリカラねぎ*


産直BOXが届いた日に作っておきたいもの

*マーボ豆腐の素*

 ねぎ葉先150g薄い小口切りと豚ひき肉100gをサラダ油大さじ1/2で炒め、味噌・醤油・日本酒各大さじ1強、砂糖・おろししょうが各小さじ1、トウバンジャン小さじ1/2を加え炒める。

*コロッケの素*

 ねぎ葉先150g薄い小口切りと牛ひき肉100gをサラダ油大さじ1/2で炒め、みりん大さじ2、醤油大さじ1で味をつける。味をみて砂糖を少し加え、やや甘めに。
*大根葉を塩茹でして、きざんで冷蔵・冷凍しておきましよう。ごはんに混ぜたり、お惣菜の彩りに振ったり、便利。


「おいしかったヨ〜」と言われるとタマリません

福岡・みのう農民組合生産者のみなさん

 「地産地消、大きく育て!」野菜ボックスにはいろいろな野菜とともに情報「野菜産直ニュース」を入れていますが、生産物が一番の自慢です。新年号は富有柿の樹をスケッチして消費者に届けました。気ままに書くこのニュースは、産直の太いパイプ役です。

 野菜生産で気をつけているのは、無農薬に近い栽培のために薄播き、元気な苗を作ること。一回の播種で二回の収穫で終わるようにしています。冬野菜は、九・十月に雨が多いと影響大。毎日天気が気になって、趣味は天気予報? 除草剤を一切使わないため、草取りが大変です。苦労するのは野菜のメニューを作ること。新しい、珍しい野菜が入るようにしています。

 楽しいことは、毎週火曜日に集荷が終わり、野菜ボックスが配達人によって出発(久留米市、柳川市方面百五十キロ、四時間半の道のり)した後の打ち合わせ・研究会です。いろんなスローフードな食べ物が並んで、次の野菜のメニューを決めます。だから消費者の方は次週何が来るのか、わかりません。その後の種の蒔き方、品種、苗の植え付け、肥料の具合、もちろん味も…。試食も含めて、この勉強会は必ず全員参加。おかげでほかの直売所に出品しても、農民組合員の野菜はレベルが高いのか、よく売れると自慢しています。年中通して、ハッピーな気分にさせてもらえる情報・技術がいっぱいです。

 嬉しいことは、何といっても、よくできた時の収穫の喜びです。生産者ならではの感動!! もちろん消費者の方から「おいしかったヨ〜」と言われるとタマリません。

 今の季節はブロッコリーにしても、ホウレン草にしても「寒の旬」というか寒さの中にも甘味があり、この気候独特のおいしさがあります。

(みのう農民組合 佐々木督文)


みのう農民組合のBOX

秋じゃが芋1kg、ごぼう400g、ブロッコリー大1個、クレソン100g、富有柿大2個、ほうれん草400g、深ねぎ太3本、葉つき大根1本

(新聞「農民」2002.3.4付)
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2002年3月

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