関東ネット立ち上げ草の根の提携をネットにのせて全国へ
農民連関東ブロック産直ネットワーク(略称・関東ネット)の発足のつどいが一月二十四日、東京で開かれ、農民経営と地域の農業を守り、発展させる取り組みを本格的に進めていくことを確認し、役員や事務局の体制を確立しました。これは、関東ネットが「運動によって事業を切り開く」立場で、全国とも連携し、市場や卸・小売との提携、街づくりなども視野に入れた新しい流通を展開する組織をスタートさせたものです。 この日は、関東ネット発足のつどいの前に「作ろう下からの流通」をテーマにお米屋さん、八百屋さん、市場、卸の関係者、新婦人の代表のリレートーク、さらに各県から持ち寄った地酒や手料理などで交流会も行われました。
意気高く「発足のつどい」つどいでは、農民連関東ブロック協議会の海老原恒夫代表が関東ネット発足について報告、「関東ブロックが大消費地で大いに力を発揮していこう」と強調。千葉県連の小倉毅書記長が申し合わせと役員・事務局の体制を提案しました。討論では「スーパースイートのリレー出荷などを通して、もの作りや、県ネットの機能化が進んだ」(長野)、「ジャンボインゲンを産地化しようと栽培し、仲間に訴えている。希望を持って頑張っていこう」(群馬)、「昨年の米の扱い量は四万俵を超えた。野菜の産直や学校給食への取り組みなど、さらに広げていく必要がある」(千葉)、「夢とロマンを持って取り組んでいきたい」(茨城)、「安心できるものを作っていくためにも土作りが大切だ。もの作りを進め、農民連の会員を増やしていこう」(山梨)など、関東ネットを大きく発展させていく決意や抱負が発言されました。農民連の佐々木健三会長が激励のあいさつをしました。代表には海老原恒夫さん、副代表に松本慎一さん(埼玉)、小竹節さん(茨城)、高橋清さん(千葉)、事務局長に小倉毅さん(千葉)、事務局次長に奥貫定男さん(茨城)らが選出されました。
参加者の親睦深めた交流会交流会では、テーブルに持参した赤飯をはじめ、手作りの豆腐、白毛餅、白菜の漬物、えびの佃煮、りんご、たくわんなどが並べられ、約六十人の参加者は舌鼓しながら交流を深めました。交流会には、日本米穀小売商業協同組合連合会の長谷部喜通理事長も参加し、激励のあいさつをしました。
リレートーク農民連への期待の声「作ろう下からのリレートーク」には、西牟田誠氏(東京都青果物商業協同組合北足立支所の副支所長)、山崎正人氏(大和食糧販売企業組合代表理事)、斎藤勝美氏(埼玉県中央青果・営業開発部長)、石田重信氏(東京城南食糧販売協同組合営業本部)、小林恭子さん(茨城県南農民組合事務局長)、上伸子さん(新婦人東京都本部会長)の六人の方々が発言しました。西牟田氏は、「都内に一万人以上いた八百屋さんが年々減少し、現在四千弱の組合になっている。希望を持って頑張るためにも本物の野菜を知ろうと、月一回、“八百屋塾”という勉強会を開いている。勉強しながら、消費者の求める安全、安心の野菜の商品化や、埋もれているものを掘り起こしていきたい」と農民連への期待を述べ、「大地の恵みで病気知らず」などと訴える色刷りのチラシを作り、「野菜を食べる健康法」「野菜は町のお医者さん」と販売に努力している実践を紹介しました。 山崎氏は、農民連のお米を販売する中で、「農民連の醤油など一つでも紹介すると、安心できるいろいろなものがお客さんから要望される」と紹介、「農民連のものは安心・安全だと評価されている。十一月に行っているイベントも評判をよんでいる。今年もやるので協力をお願いしたい」と語りました。斎藤氏は「上尾市場にはまだまだ農民連の出荷が足りない。安心できるものがほしい」と要望。 石田氏は学校給食に米を供給している最近の経験にふれながら、子どもの健康や農林漁業を知らせ、学習させていくうえでも大切だと指摘。小林さんは新婦人との大豆畑トラストから豆腐つくり、街づくりまでに発展している取り組みを報告。上さんは「大手のスーパーや量販店がのさばり、従来からあった商店街や流通がこわされている。私たちは下からじわじわと反撃できる力をつくっていきたい」と抱負を語りました。 農民連の集会に初めて参加した大沼澄雄さん(栃木県連)は「勉強になり、感動した。ものを作る人を増やさなければ、期待に応えられない」と感想を話していました。
(新聞「農民」2002.2.4付)
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[2002年2月]
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