家電量販店に並ぶ 小型精米機
米パニックのときに「農民連本部勤務のあなたに外米を食わせるわけにはいかない」と、あきたこまちの玄米とともに、家庭用精米機を佐藤長右衛門さん(秋田県農民連委員長)から譲り受けた。あれから七年、精米機がこわれたので、探しに出て驚いた。 大手家電量販店には置いていないものと決め込んで専門店を探し回ったが、どうも気に入らない。ところが、ダメモトと思って入ったビックカメラに、ゆうに三十種類を超える電器釜と並んで、なんと四種類も精米機が置いてあるではないか。キャッチコピーは「毎日つきたて、おいしいお米」。 その一方で「無洗米の家庭用消費に占める割合、首都圏では一一%に」「無洗米の認知度九六%」(全国無洗米協会ホームページ)という宣伝もにぎやかだ。「とぎ汁は環境汚染の最大原因」「河川のヘドロ、赤潮の原因」などと、公害たれ流し企業の責任を免罪するいかがわしいデータまでそろえて。 不思議に思うのは米ヌカせっけんを熱心に普及している生協が、「環境にやさしい」と称して無洗米販売にえらく力を入れていること。 かつてダイエーが“全国統一ブランド米”システムを作る検討をしたが、「米はそういう商品ではない」として断念したという。産地によって、気候条件によって味が異なる米を、工業的食品のようにブランド化できるはずはない。 しかし原料の中身がよく分からず、“製造”の工程が厳重な企業秘密扱いになっている無洗米の場合、工業的食品としてブランド化される可能性はある。「米政策の抜本見直し」で、米にかかわるあらゆる規制が取り払われ、大企業による産地丸ごと買い占めが可能になれば、その条件はますます加速されるだろう。 こういう無洗米ブームに逆らうように棚に並ぶ小さな精米機に援軍を見た思いがした。もっとも、無洗米状態に仕上げる精米機もあったのには興ざめだったが。 (真)
(新聞「農民」2002.1.21・28付)
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[2002年1月]
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