「農民」記事データベース20020114-523-11

脊椎からみたからだのこと

脊椎矯正師・山口真奈美


神経痛の話し

 「神経痛」――この言葉を聞いただけで身体のどこかに痛みを感じる方がいらっしゃるかも知れません。神経痛とは、神経の根っこに圧迫を受けることが原因で起きるシビレや痛みのことです。

 例えば、肩・手のシビレや痛みは頚椎(けいつい=首)の神経、背中から肋骨にかけてのシビレや痛みは胸椎(きょうつい)の神経が圧迫を受けていると考えられます。また、腰椎(ようつい)の神経が圧迫されると、腰やお尻、膝の裏にシビレや痛みを感じます。どこかの神経の根っこに異変が起きると、そこを担当している身体の部位が、私たちに異常を訴えてくるのです。

 神経痛に悩む方々は、シビレや痛みという自覚症状のみに注目した治療を受けている場合が多くあります。しかし、そのような治療は一時しのぎにすぎず、症状をマヒさせているだけです。圧迫を受けている神経の根っこから改善しない限り、本当の意味での治癒を期待することはできません。

 神経の圧迫は主に骨のゆがみが原因と考えられます。(1)ゆがんでしまった骨を正しい位置に戻す(矯正する)、(2)神経の圧迫が取れて、ひどいシビレや痛みが消える、(3)身体に良い状態が続くよう、患者さん自身が気を配る、(4)神経痛そのものが軽くなる、(5)本来の身体の機能が回復するシビレや痛みが二度と出ないように根本から改善することが必要です。

 〔坐骨神経痛〕

 神経痛の一種で、痛みが休みなく数日間にも及ぶのが特徴です。特に立ち上がる時や、歩く時に強い痛みを感じますが、ひどくなると激痛のために寝返りも打てなくなります。圧迫を受けているのは坐骨神経と考えられます。これは下肢の屈曲運動を支配する、腰椎からお尻・足の先まで通っている太くて長い末梢神経です。

 原因は、骨のズレはもちろんのこと、椎間板ヘルニアや脊椎すべり症、さらには糖尿病や妊娠などによっても起こります。

 坐骨神経痛かどうかをご家庭で簡単に検査できる、「ラセーグ徴候」を試してみてください。仰向けに寝た状態で、足を伸ばしたまま上に持ち上げます。この時、大腿部(太もも)の後ろ側に強い痛みが起きたり、痛みで足が上がらなかったりした場合、坐骨神経痛あるいは椎間板ヘルニアの疑いがあります。思い当たる方は一度KCSセンターにご相談ください。

(新聞「農民」2002.1.14付)
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2002年1月

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