セーフガード発動・BSE対策求め農民連・食健連 12・21怒りの中央行動「狂牛病はモーたくさん!」「セーフガードを発動しろ!」――十二月二十一日、クリスマスでにぎわう銀座の入り口、東京・有楽町で、農民連・食健連が牛五頭と新鮮な野菜の山を従え、宣伝・署名行動を行いました。また同日、一行は農水省前でも抗議集会を開き、セーフガードとBSE対策の二班に分かれて農水省と交渉しました。
行動開始の直前、政府は「セーフガード本格発動せず」を決定。農家の涙雨とでも言いたくなるような冷たい雨が降り始めるなか、怒りも新たに「日本の農業を守りましょう」と呼びかけました。 有楽町マリオンの前ではネギ、シイタケのほか、ハクサイやみかんなども無料配付。道行く人はこつ然と現れた牛にビックリしながら、「わぁ、今夜はお鍋だわ。農業は大切だからがんばって!」(四十代の女性)など多くの励ましと、用紙が足りなくなるほどの署名が寄せられました。なかには「職場がすぐ近くだから、職場みんなの分、集めてきてあげるよ。農業って大切だし、いいことやっていると思うから」という女性も。 署名してくれた男子学生は「経済学を専攻しているが、セーフガードは国際社会に必要な制度だと思う。本格発動しないのはおかしい」と話し、おじいちゃんと子供と買い物に来ていた若い主婦は「中国産のシイタケは農薬がかけられているというじゃない。安いけど『やっぱりやめた』ってなるわ」と言います。 千葉県八日市場市から二頭の乳牛を連れて参加した安藤正司さん(58=搾乳牛十五頭)は「乳廃牛は一キロ十円にしかならないものもあり、タダ同然だ。BSE発生前に早く戻してほしい。そのために風評被害をまき散らした政府は原因究明に全力をあげて、消費者の信頼を取り戻すことが大事だ」と訴えます。 また、宮城から参加した佐藤一男さん(55)は、七ケ宿町で搾乳牛七十頭、肥育牛五十頭を飼育する複合経営。「肉牛の大暴落と乳廃牛の出荷停止でダブルパンチ。このままでは経営を維持できない。農家が何か悪いことをしたというのか」と、政府の責任を厳しく追及。「安全な農産物を農家に作らせるのが農水省の本来の役目。農家の損害を全額補償してほしい」と求めました。 この日は一日中、テレビ局や大手新聞社など報道陣が大勢かけつけ取材合戦。憤怒する牛のお面をかぶった生産者のお母さんや畜産農家をつかまえては、インタビュー攻めにしていました。
(新聞「農民」2002.1.14付)
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[2002年1月]
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