キャー、ぬるぬるする〜小さな田んぼでビックリ体験東京都大田区・大森東小学校「きゃー気持ち悪い」「足が抜けないけど気持ちいいっ」「わーっ、カエルがいたー」など、まぁーにぎやかなこと。わいわい騒ぎながら植え終わった苗は曲がっていたり浮いたり。東京都大田区立大森東小学校(星野芳子校長=生徒数二百五十四人)の五年生五十三人が五月八日、霧雨が降り出したなかで、学校の田んぼで初めて田植えを体験しました。 (冨沢)
コンクリートで囲まれた五メートル×五メートルの田んぼは学校に隣接する運河沿いにあり、畦畔を除いた水田面積は二十平方メートル。小さいと思われるかも知れませんが、二十三区内の小学校の施設では最大面積です。
茨城県西産直センターの小竹節さんが田植えの指導田植えの指導をしたのは茨城県西産直センターの小竹節さん。田んぼは少し前に六年生を指導して代かきを済ませてありました。ポット植えのコシヒカリの成苗を四本ずつ受け取った子どもたちは、小竹先生の説明を受け、素足になって期待と不安の入り混じった笑顔で順番にそっと田に入ります。潮干狩りとちがう泥の感触に大騒ぎ。そっと苗を置くだけの子や上手に植える子など、植え方もさまざま。 この授業は「日本人の主食であるお米が、どのように作られ、ご飯が食べられるようになるのかを、大人の私たちが子どもたちに伝え、体験することで知ってもらうこと。さらに大きくなって農業をしたいという子が、一人でも二人でも出てくれればなおうれしい」という望月信隆教頭先生の考えから、新しく決められた「総合的な学習の時間」のひとつとして実現したものです。
稲を家の中で飼えますか?足を洗い、教室に入った子どもたちは「一粒の米粒から約三十株ができ、一株に約百粒のお米ができるので、全部で三千粒」にもなるという話にびっくり。さらに葉の出方の観察方法、水の管理、肥料のやり方育て方も教わりました。余った苗を分けてもらった子どもたちは、友だち同士で「問題は家に帰ってからお母さんがなんと言うかだよね」などひそひそ話。それでも次々に「バケツにでもいいですか」「土はお店で売ってるのでもいいですか」「お湯とかぁ、ラーメンの汁はいいですか」「稲を家の中で飼ってもいいですか」(ウン?“稲を飼う”??)などの質問が飛び出しました。 小竹先生は驚きながらも「塩が入っているラーメンの汁も熱いお湯もだめ、枯れてしまうよ」「稲は太陽の光が必要なんだ。だから“ベラン田”という田んぼや庭で陽の光りにあててください」などユーモアたっぷりに答えていました。 休み時間になっても子どもたちは先生の回りにまとわりついて質問攻めに。果ては背中に跳びつき、おんぶしてもらっちゃう子もいて、東京・大田の小さな田んぼの楽しい授業、まずは終わりました。
(新聞「農民」2001.6.4付)
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[2001年6月]
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