アレルギーを誘発するGMトウモロコシ「スターリンク」の汚染直ちに種子の検査を
スターリンク汚染の可能性があるトウモロコシ種子の検査をただちに行え――「第四回『スターリンク』問題を考える議員と市民の懇談会」が開かれた四月二十日、農民連も参加する「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」と「日本有機農業研究会」は、出席した農水省種苗課の担当者に申し入れました。 申し入れの内容は、(1)アメリカ産トウモロコシ種子について、現在市販されているもの、今後輸入するものを含めてただちに検査すること。また水際でのチェック体制を整えること、(2)早急に種子の表示を法定義務化すること、など八項目。 スターリンクは、アレルギーを引き起こすなど人体に悪影響を及ぼすとして、アメリカでは昨年秋に使用・栽培が禁止された遺伝子組み換えトウモロコシ。ところが、その後、今年作付用の非遺伝子組み換えトウモロコシ種子が汚染されていることが発覚。アメリカ農務省は、今年三月、混入している事実を認め、全量検査・回収の方針を決めました。汚染は、花粉の飛散や虫媒による受粉が原因と考えられています。 このことは、トウモロコシ種子のほとんどをアメリカからの輸入に頼っている日本の生産者・消費者に不安を広げています。「懇談会」では、名古屋大学理学部の河田昌東助手が、遺伝子組み換え作物の栽培を全面的に認めていないEU諸国で、ナタネや綿花など遺伝子組み換え種子の混入が発覚し、廃棄処分にした具体的な事例を紹介。「日本にもすでに、(スターリンク種子が)混ざって入ってきているのではないか」とただしました。 しかし、厚生労働省の担当者は「種子は食品じゃないので届出義務はない」と、まるで他人事の態度。農水省種苗課は、「今後、チェックできるかどうか検討する」と、頼りない回答に終始。会場から「検討する前に、まず緊急措置をとってほしい」といった声が出されました。「キャンペーン」では、市販されているトウモロコシ種子の自主検査を始めています。
遺伝子組み換え稲反対署名提出「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」は四月五日、全国で集めた「遺伝子組み換え稲の開発・作付・輸入・販売反対署名」(第二次集約分)五万筆余を農林水産大臣宛に提出。第一次分と合わせて、十七万筆余の「遺伝子組み換え稲反対」の署名を届けました。署名とともに「日本農業と遺伝子組み換え稲についての質問と要請書」を提出。「消費者も生産者も望んでいない組み換え稲の開発や国内での栽培研究をなぜするのか」と追及するキャンペーン代表に対して、農林水産技術会議事務局の長谷川裕技術安全課長らは、「組み換え稲は大きな可能性があるものとして研究を進める」としながらも、「消費者の理解が得られなければ、実用化はしない」と回答。いつでも実用化できる段階にきている遺伝子組み換え稲を阻止しているのは、国民の反対世論と運動であることを立証しました。
(新聞「農民」2001.5.14付)
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[2001年5月]
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