「農民」記事データベース20010514-492-01

安全で、美味しい農民連の大豆を使った

産直の豆腐を子どもたちに

新婦人大阪寝屋川支部 産直が学校給食に発展


 「こっちが国産大豆の豆腐やで。白さが違うやろ」田大阪新婦人の寝屋川支部では、月二回、石川農民連の大豆で、豆腐産直に取り組んでいます。この豆腐産直がきっかけになって、学校給食にも取り入れられ、いま寝屋川市内で四校にまで広がっています。まだ暗い午前四時半に豆腐屋さんを訪ねると、できたてホヤホヤの豆腐がまだ湯気をたてていました。

 職場と地域で交流と学習重ね

 「産直は寝屋川支部にとって取り組みの柱。ほんま、ここまでこれたのは、農民連の皆さんのおかげやわぁ」と、事務局長の秋元真由美さん(44)。寝屋川支部で「うまいなあくらぶ」と名付けた産直委員会をつくって、大阪農民連と野菜ボックスをスタートさせたのが八年前。福島農民連との米産直でも、毎年春には生産者が訪れて、職場で、地域で、交流と学習会を重ねてきました。

 「農民連の人には地図一つであちこちに足を運んでもらって、育て方とか、農業の苦労や楽しさ、食料自給率のことまで教えてもらって」と秋元さん。「新婦人は物売りやない。これは運動なんや。安全でおいしいものを食べつづけるには、生産者と一緒に日本の農政を変える運動しなきゃいかんって、それを柱に取り組んできたんよ」と思いを話します。

 町の豆腐屋さんの協力で…

 豆腐産直もこの交流の中から生まれました。「大豆の産直いうてもなぁ、そんなに豆なんて食べられへん…なんて言っていたら、町の豆腐屋さんに加工を頼む方法を農民連の人が教えてくれたんです」と秋元さん。さっそく商店街の手作り豆腐屋の岡田平(おさむ)さん(55)に試作を頼んだところ、「できたで。(これからも作っても)ええよ」という返事。こうして去年の二月から月二回、一回五十四丁(大豆五キロ分)、一丁百五十円の豆腐産直がスタートしました。

 「高い豆やから失敗でけへんし、たしかに気は使うわな」と岡田さん。「国産大豆は“み”が多い少ないがあって(できる豆腐の量に違いがあって)、大豆や水やニガリの量をよく見んとうまい具合にいかんし」。大量生産の混ぜ物豆腐が出回っているなかで、岡田さんは、混ぜ物のない手作りの豆腐つくりを黙々と続ける職人さんです。しっかりとした硬めの豆腐は、店頭にお客さんが来てから初めて水からあげる、昔ながらの売り方を守っています。

 大豆交流会開き他の学校に

 この豆腐が学校給食に使われるようになったきっかけは、新婦人会員で小学校栄養士の石川友美(ゆみ)先生が昨年四月の大阪新婦人の大会で、秋元さんの豆腐産直の報告を聞いたこと。「岡田さんならうちの学校の豆腐作ってもらってる豆腐屋さんやん!」ということでさっそく岡田さんに依頼。

 石川先生は「豆腐の値段は二倍になったけど、子どもたちにはより安全な国産を食べさせたい。それは他の野菜や果物でも同じ」と国産へのこだわりを強調します。

 寝屋川市の給食は自校直営方式で、納入業者はなるべく市内から、野菜も地元農家からという方針で、食材調達も各学校ごとに行っています(大阪府下では少数)。「ほんま、こういう小さな豆腐屋さんに頼めるから、国産大豆も使えるんやね」と石川先生は言います。

 昨年七月には寝屋川新婦人のよびかけで栄養士・調理員対象の「大豆交流会」を、石川農民連の西忠恭事務局長も出席して開催。これがきっかけで、農民連大豆の豆腐給食が四つの小学校に広がりました。他に豆腐は無理でも煮豆ならという学校が二校、農民連大豆ではないけれど国産大豆に替えたという学校も増え、新婦人と農民連の産直が学校給食に発展しています。

 石川農民連の西さんは、「こういうルートがあることは本当に大切です。作れば売れる、こうやって子どもたちが食べてくれるっていうのは、農家にとって大きな励みです」と、産直の喜びを語っています。

(新聞「農民」2001.5.14付)
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2001年5月

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