「農民」記事データベース20010507-491-07

=安全・品質に責任のもてる労働のルールを=

明乳争議団のアンケートと「食の安全を守る提言」から―(2)―


 雪印食中毒事件では、高度な衛生管理システムだといわれているHACCP(ハサップ)が、まったく「絵に描いた餅」であったことが明らかになりました。アンケートでも、同様の結果が出ています。

 ハサップのライン「知らない」が七割

 工場のどのラインが認定されているか「知らない」労働者は七一・八%もいます。また、認定にもとづく作業手順を聞いたところ、「知らない」(四八・四%)、「活用されていない」(二三・四%)を合わせて七割以上です。多くの労働者は、ハサップに無関心で働いています。

 現場の労働者に対するハサップについての説明は、短時間の「ハサップっていうのはこういうものですよ」という話で済まされています。「ハサップ認定」という刻印は、現状では、消費者の目をごまかすだけと言わざるをえません。

 このアンケート結果を持って厚生労働省へ行った際に、担当者も「これが実態でしょうね。これではハサップはまだ絵に描いた餅ですね」と話していました。

 私たちはこれに対して、「企業責任」と「行政の責任」という視点で提言をまとめています。企業責任では、従業員教育の制度化・義務化とともに、ハサップ認定にともなう膨大なチェック項目を処理する作業人員の配置がどうしても必要です。それがなければ、製品の安全性は保証されません。行政の責任では、認定にあたり作業マニュアルがあるのかないのか、しっかり確認するなど、現場調査・確認を第一にすることです。

(新聞「農民」2001.4.30・5.7付)
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2001年5月

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