「農民」記事データベース20010507-491-02

地域革新懇が“食糧問題”語る

市場や小売り関係者が参加

埼玉・上尾市

 「配られたチラシに食糧問題という文字を見て、どういう団体の主催かも知らずに参加した」――主催者の予想をこえて多彩な顔ぶれの人たち二十二人が集まった「日本の食糧問題を考える懇談会」。埼玉県上尾市の「平和と革新をめざす上尾革新懇談会」(上尾革新懇)が主催して四月十四日に開いたもの。地域の革新懇が、市場や小売関係者を中心に食糧問題をテーマに懇談会を開いたことは注目されます。


 「群馬の農家の出身だが、日本ほど農業が適したところはない。国産物を買うようにしている」「安全な物を子どもたちに食べさせたい」「飼っているネコが糖尿病だと診断され、毎日インシュリンの注射をうっている。顆粒や缶詰のエサをやっていた結果ではないか。人間の食べ物にも大いに関係があるのでは?」など、参加者は自らの体験を通して食糧問題を語りました。

 上尾市場から農民連の野菜を仕入れて販売しているスーパーオタフクの吉野一夫社長は「長引く不況やリストラなどの影響もあり、消費者の生活にも余裕がなくなり、買い物にも今までとは違った雰囲気になっている。早く景気がよくなり、安心・安全な国産の野菜を求めるようになってほしい」と発言。埼玉県中央青果の斎藤勝美部長は「輸入農産物も扱っているが、日本の物を見直すことが大事だ。地元の農家の物も扱えるようにセリも行っている。食糧を外国に頼るようではダメだ」と指摘しました。

 地元の女性は「NHKは暫定セーフガード発動を決めたというニュースを流したとき、値段が三倍になると報道した。農家のことは考えていない。戦前生まれで食糧難を経験しているが、食の大事さを若い人にも伝えていかなければならない」と強調しました。

 埼玉県は、地場流通を促進する収穫後六時間流通事業や安全・安心できる県産小麦で作ったパンなどを学校給食に取り入れていることについての話も出されました。埼玉の農業を大事にする政策は「革新県政二十年、上尾革新市政十六年の土台の上にあると思う。これを後退させない運動が大切ではないか」と、革新懇運動の重要性が指摘されました。

 上尾革新懇代表世話人の篠塚多助さんは「食糧問題についての関心が高いことに改めて認識させられた。この経験を生かし、上尾市場の見学などに取り組んでいきたい」と語っています。

 後日、司会した上尾革新懇の小林進さんからビデオ「あぶない!!あなたの食と健康」の注文が農民連本部にあり、「今後、革新懇でも活用していきたい」と抱負を語っています。

 懇談会には、埼玉農民連の松本慎一事務局長をはじめ農民連本部から谷口一夫副会長らも参加しました。

(新聞「農民」2001.4.30・5.7付)
ライン

2001年5月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2001, 農民運動全国連合会