分析センターだよりリアルタイム 栄養診断の“ススメ”
「ビタミンCを測定したい」という野菜生産地が増えています。ビタミンC含有量を調べることは、新鮮な産直品のよさをじかに伝えられるので、もっとビタミンCの分析を利用してもらえたら、うれしいです。 なんて思っていたら、今月、複数の産直センターから「ビタミンCを自分たちで測定したい」という一歩進んだ要望が寄せられました。そこで、お勧めできる分析方法をこの場を借りて紹介したいと思います。 分析センターでは、「輸入野菜より国産野菜のほうが多い」というような大まかなビタミンCの比較分析の場合、「RQフレックス」(メルク社製)という簡易な測定装置を用います。この装置は操作が簡単で、野菜の搾り汁に試験紙を浸して十五秒間反応を待った後、装置に試験紙を差し込み、表示される数字を読むだけ。精度も意外と高いです。 この装置は、もともと実験室用ではなく現場用の装置で、実際に畑で使用している方も多いといいます。ビタミンCのほか、最近話題の硝酸イオンをはじめ、さまざまな成分(三十種類以上の分析項目。ヨーロッパでは水質簡易検査用として普及)を分析可能。農業分野でまだまだ生きてくる装置だと思います。 ゆくゆくは各産直センターでこういった現場向きの装置を導入し、栄養と鮮度の指標にビタミンC、肥効と安全のチェックに硝酸イオンをリアルタイムで調べる――そんな農家自身の手による「よりよい新しい産直品」を生み出す仕組みが作れたらと、増え始めた依頼を見て思います。なお定価は一台九万八千円です。
(新聞「農民」2001.3.26付)
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[2001年3月]
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