「農民」記事データベース20010312-484-11

全国の 朝市 夕市 直売所

熊本県 水俣


市民に喜ばれる朝市

 熊本県水俣・出水農民組合は、毎週土曜日午前七時から十時まで、JR水俣駅横の「ふれあい館」で「朝市」を開いています。今年で十三年目になります。

 当初、民医連の病院に通院していた農民が中心になって、健康友の会と共催で、病院の駐車場で、「健康づくりは安全な食べ物から。私たちの住む水俣で水銀の入った魚を食べて水俣病は起きた。農薬づけの輸入農産物、有害な添加物を使用した加工食品も出回っている。何とか自分たちで、食べ物を通して健康づくりを進めていこう」ということで始まりました。この朝市の農民の集まりが現在の農民組合の母体になっています。

 組合員は基本的に、減農薬または無農薬の有機栽培で安全なものを提供することに努力していますが、苦労するのは品揃えです。一年を通じて、消費者のみなさんに喜んでいただける旬の農産物をそろえるのは大変です。端境期などでは野菜類は早々に売り切れ、お客はそっちのけで組合員同士が有機農業談義という場面もしばしば見られます。

 朝市では農産物だけでなく、漬物や手作り味噌、手作りクッキー、牧場直営の移動販売車による国産牛肉の販売、イリコや太刀魚、タコ、ナマコなどの海産物、リサイクルの衣料品、最近では焼き芋なども販売しています。会員はみな週一回の朝市を楽しみにしています。出荷が無い人も顔を出すほどで、売れ残ったものも仲間同士で交換し、お互い利用しています。

 水俣市の一大イベントである総合物産展などにも農民組合で出店したり、地元商店会のイベントへの出店要請があったりします。そんなときも朝市のことが話題になります。お客さんから「ああ!みなさんは毎週土曜日に朝市をやっておられる方たちですね。いつも、立派なものを安く提供していただいてありがとうございます」と声をかけてくれます。

 水俣の「朝市」は、こうした消費者のみなさんからの激励を受けながら毎週休むことなく、十三年間続いているのです。地元の新聞や週刊誌などで紹介されたこともあって、農民組合の朝市のことは多くの市民に知られています。

(熊本県水俣・出水農民組合 中山徹)

(新聞「農民」2001.3.12付)
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2001年3月

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