「農民」記事データベース20010312-484-05

輸入に負けないもの作り

北海道農民連女性部総会

関連/小橋都事務局長の話


 北国にもようやく春の兆しが見えはじめた二月二十四〜二十五日、北海道農民連女性部第十一回総会が旭川市で開かれ、三十二人が参加しました。

 一日目は、荻原信宏・日本共産党道議(道議会農政副委員長)、空知中央農民組合の小橋都事務局長の記念講演と、夜はお楽しみの夕食交流会。手作りのお寿司、煮豆、羊かん、水まんじゅう、漬物、トマトジュース、チーズなどに舌鼓を打ちながら、みんなでゲームをしたり、ダンスをしたりと、時が経つのを忘れて過ごす楽しい一時。

 二日目は、情勢報告の後、参加したみなさんが発言。全国大会に初めて参加した二人の女性は「全国の母ちゃんたちのパワーにビックリ!そしてみんなの目が生き生きしている」と感想を語りました。

 国際結婚したフィリピン人の女性は「なぜ米を輸入しなければならないのかと農協の人に質問したら、うるさがられた」とこぼします。

 別海から駆けつけた方からは、牛に食べさせる飼料を吟味し、安全な牛乳をつくることに努力している様子が話されました。

 広大な北海道は水田あり、畑あり、酪農ありと原料農産物には事欠きません。これをどうやって売るか、付加価値をどうつけるか、そうすることで輸入に負けない「もの作り」ができると改めて感じた総会でした。

(北海道農民連女性部長 白石節子)


記念講演 空知中央農民組合

小橋都事務局長の話

 三年前に東京・練馬区の学校給食に米の供給を始めました。当初三校から今は十七校になり、練馬区のほとんどの小学校に空知の米が行っています。

 農民連全国大会の帰りに三校まわり、校長や栄養士、調理師さんと話してきました。「北海道のお米がおいしい」って喜ばれて、栄養士さんからは「子どもが一番正直です」って言われました。

 昨年は直売所も始めました。農家の人が「こんなもの売れないよな」と思うものが飛ぶように売れて、生産者にも消費者にも喜ばれました。生産者と消費者の心の交流があり、赤字だったけど、それ以上の収穫があったと思います。

 生協やスーパーとも取引を始めました。このスーパーは「輸入の安いタマネギを入れる」とはっきりと言うスーパーです。私たちがもうからないからと手を引けば輸入物になってしまいますから、がんばって続けています。「輸入には負けないぞ」と組合員と話し合っています。

 そのためにセーフガードの発動を求める請願を三市一町一村に出しました。署名行動にも取り組んだところ、チラシを取った方の家族から翌日さっそく電話があり、「がんばってください」と励まされました。

 本当に寒い日の署名行動にも、よく組合員が参加してくれます。それは、産直や直売所などにとりくんで、なぜやらなければいけないか、組合員が肌身で感じているからだと思います。

 最近、新婦人の産直ラリーに行った生産者が「増えたよ」って喜んで帰ってきます。新婦人の方からも「本当にいい話をしてくれた」と電話がありました。いろいろやりながら一つ一つ組合員の力になっていると感じています。

(新聞「農民」2001.3.12付)
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2001年3月

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